交感神経刺激薬配合薬

交感神経刺激薬配合薬とは

交感神経刺激薬配合薬はβ2刺激薬とも呼ばれます。
自律神経には、交感神経と副交感神経がありますが、このうち交感神経を刺激する役割を持つのが交感神経刺激薬配合薬です。
交感神経を刺激することで気管支を拡張できるので、喘息の発作をやわらげることができます。
交感神経は気道の拡張以外にも、心拍数や血圧の調節などに関与しています。

交感神経刺激薬を飲むとどうなる?

交感神経刺激薬は、交感神経系に作用することで、アドレナリンやノルアドレナリンのような神経伝達物質の放出を促します。
これにより、以下のような効果が得られます。

  • 心拍数の増加
    交感神経刺激薬は心臓の働きを強化し、心拍数を増加させることで血液の循環を改善します。

  • 血管の収縮
    血管を収縮させ、血圧を上昇させます。
    低血圧やショック状態の改善に役立ちます。

  • 気道の拡張
    気道の平滑筋を弛緩させ、気道を拡張できるため、喘息や気管支炎の症状を緩和できます。

主な交感神経刺激薬配合薬とその用途

では、交感神経刺激薬配合薬とその働きを見ていきましょう。

  • エフェドリン
    エフェドリンは、交感神経刺激薬としてよく使われている成分で、気管支喘息や鼻づまり、低血圧の治療に用いられます。
    気道を拡張し、呼吸を楽にする効果があります。

  • フェニレフリン
    フェニレフリンは、鼻づまりや低血圧の治療に使用される成分で、血管を収縮させることで、鼻粘膜の充血を減少させて鼻の通りを良くします。
    ちなみに、血管収縮剤として市販されているナザールなどの点鼻薬も、血管を収縮させることで鼻づまりを改善しています。
    また、手術中の低血圧の治療にも用いられます。

  • サルブタモール
    サルブタモールは、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用される交感神経刺激薬です。
    気道の平滑筋を弛緩させ、気道を拡張することで呼吸を楽にします。

交感神経刺激薬の注意点と利点

交感神経刺激薬配合薬は、錠剤、カプセル、液剤、吸入薬などの形があります。
特に、吸入薬は決められた方法で吸入しないと薬の効果が得られないため、正しい服用方法を医師からしっかり聞くことが大切です。

交感神経刺激薬の副作用には、心拍数の増加、血圧の上昇、頭痛、不安感、震えなどがあります。
仮にこのような症状が出たとしても一時的であることが多いです。

交感神経刺激薬は速効性があり、急性の症状に対して迅速に効果を発揮する点が利点です。
例えば、喘息発作や急性の低血圧状態において、短時間で症状を改善できます。
また、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、鼻づまり、低血圧、アナフィラキシーショックなど、さまざまな病状に対して効果があるのも交感神経刺激薬の特徴です。
複数の症状を一つの薬で管理できます。