3種混合ワクチン(DPT)

3つの守護者DPTワクチンとは

DPTワクチンは、ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)という3つの危険な感染症から子どもたちを守る強力な盾です。
この3種混合ワクチンは、赤ちゃんの時期から接種が始まり、長期にわたって免疫を提供します。

  • ジフテリア
    喉に偽膜を形成し、呼吸困難を引き起こす細菌感染症。
    重症化すると心筋炎や神経障害を起こすことも。

  • 百日咳
    激しい咳が特徴的な呼吸器感染症。
    乳幼児では呼吸停止を起こす危険性がある。

  • 破傷風
    土壌中の菌が傷口から侵入し、全身の筋肉がけいれんする恐ろしい病気。

DPTワクチンの特徴

DPTワクチンは不活化ワクチンです。
つまり、病原体を殺して作られており、生きた病原体は含まれていません。

このワクチンの利点は以下の通りです。

  • 3つの病気を一度に予防できる
  • 安全性が高い
  • 長期間の免疫を獲得できる
  • 副反応が比較的軽微

日本での標準的な接種スケジュールでは、合計4回ワクチンを打ちます。
第1期の初回3回は乳幼児の時期に打ち、就学前または11~12歳、成人に1回ずつ追加摂取します。

ワクチンの効果と副反応

DPTワクチンは、3つの病気に対して高い予防効果を示します。
正しく接種すれば、これらの感染症にかかるリスクを大幅に減らすことができます。

一方で、他のワクチンと同様に副反応が起こる可能性があります。

  • 接種部位の腫れや痛み
  • 発熱
  • ぐずり
  • 食欲不振

これらの症状は通常、数日で自然に治まります。

まれに起こる可能性のある重い副反応はこちらです。

  • 高熱(40度以上)
  • けいれん
  • アレルギー反応

このような症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。

DPTワクチン接種の意義と接種時の心得

DPTワクチンの普及により、かつて子どもたちの命を脅かしていたこれらの病気は、日本ではほとんど見られなくなりました。
しかし、世界的に見ればまだ存在する病気です。
特に、免疫力の弱い赤ちゃんを守るためには、周りの人々がワクチンを接種することが大切です。

DPTワクチンを受ける際は、以下の点に留意しましょう。

  • 赤ちゃんの体調が良い日を選ぶ
  • 過去の予防接種での反応を医師に伝える
  • 接種後は15~30分程度、医療機関で様子を見る
  • 接種当日はゆっくり過ごす

また、以下の場合は接種を控えるか、医師と相談しましょう。

  • 発熱している
  • 急性の病気にかかっている
  • 過去にワクチンで強いアレルギー反応が出たことがある

DPTワクチンは、子どもたちの健やかな成長を支える大切な味方です。
正しい知識を持ち、適切なタイミングで接種することで、3つの危険な病気から子どもたちを守ることができます。