子宮収縮抑制薬・鎮けい薬
- 妊婦さんの味方、子宮収縮抑制薬
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妊娠中に子宮の収縮や痛みを感じることがあります。
多くの場合自然なことですが、時に早産のリスクを高めたり、強い痛みを引き起こしたりします。
そんな時に役立つのが、子宮収縮抑制薬と鎮けい薬です。子宮収縮抑制薬は、その名の通り子宮の収縮を抑える薬です。
妊娠週数が浅いうちに子宮収縮が始まると、早産の危険性が高まります。
そこで、この薬を使うことで子宮の動きを落ち着かせ、赤ちゃんをもう少し成長させることができるわけです。これらは点滴や内服薬として使われます。
効果は比較的早く現れ、数時間以内に子宮の収縮が落ち着きます。使用する際は、医師の指示に従うことが大切です。
薬の量や使用期間は、妊婦さんの状態や妊娠週数によって変わってきます。
また、副作用として動悸や手の震えなどが起こることがあるので、気になる症状があれば医師に相談しましょう。 - 鎮けい薬の効果
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鎮けい薬は、主に子宮や腹部の痛みを和らげるために使われます。
妊娠中や出産後に起こる痛みに効果があります。代表的な鎮けい薬にブチルスコポラミン臭化物があります。
これは腹部の筋肉をリラックスさせる作用があり、痛みを和らげます。
内服薬や注射薬として使われることが多いです。鎮けい薬は、痛みを感じる神経の働きを抑えたり、筋肉の緊張をほぐしたりすることで効果を発揮します。
多くの場合、服用後30分から1時間程度で効果が現れ始めます。ただし、鎮けい薬にも注意点があります。
眠気や口の渇きなどの副作用が起こることがあります。
また、長期間の使用は避けたほうがよいでしょう。
使用する際は必ず医師の指示に従い、気になる症状があればすぐに相談することが大切です。 - 子宮収縮抑制薬と鎮けい薬の違い
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子宮収縮抑制薬と鎮けい薬は、似たような目的で使われることがありますが、実は働きが少し違います。
子宮収縮抑制薬は、主に子宮の筋肉そのものに作用してその動きを抑えることで、早産のリスクを減らせます。
一方、鎮けい薬は痛みを和らげることを目的としています。
子宮だけでなく、おなか全体の筋肉の緊張をほぐす効果があります。また、使用するタイミングも異なります。
子宮収縮抑制薬は妊娠中期から後期に使われ、早産を防ぐことが目的です。
鎮けい薬は妊娠中はもちろん、出産後や婦人科の手術後の痛みにも使われます。どちらの薬を使うかは、妊婦さんの状態や症状によって医師が判断します。
時には両方の薬を併用することもあります。
例えば、子宮収縮を抑えながら、同時に痛みも和らげたい場合などです。