卵胞+黄体ホルモン配合薬(ピル)

卵胞・黄体ホルモン配合薬(ピル)の効果

卵胞・黄体ホルモン配合薬、一般的に「ピル」と呼ばれる薬は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンを組み合わせた経口避妊薬です。
避妊目的で使用されることで知られていますが、月経関連の症状改善にも効果があり、生理痛が重い女性の救世主でもあります。

ピルには以下のような効果があります。

  • 避妊効果
    正しく服用すれば、高い避妊効果があります。

  • 月経痛の軽減
    多くの女性で月経痛が和らぎます。

  • 月経量の減少
    経血量が減り、貧血のリスクを下げる可能性があります。

  • 月経周期の調整
    不規則な月経を規則的にする効果があります。

  • ニキビの改善
    ホルモンバランスの調整により、肌荒れが改善することがあります。

  • 子宮内膜症の症状緩和
    子宮内膜症による痛みを軽減する効果があります。

ピルの服用方法

一般的な服用方法は以下の通りです。

  • 21日間連続服用
    21日間毎日同じ時間に1錠ずつ服用します。

  • 7日間の休薬期間
    21日間の服用後、7日間は服用を休みます。
    この間に消退出血(擬似的な月経)が起こります。

  • 28日周期の繰り返し
    休薬期間が終わったら、再び21日間の服用を始めます。

他、ヤーズフレックスのように最大120日連続服用し、この間生理が来ないようにできる薬などもあります。

ピルの注意点

ピルの使用には以下のような注意点があります。

  • 服用忘れに注意
    効果を確実にするために、毎日決まった時間に服用しなければいけません。

  • 副作用の可能性
    飲み始めは特に、吐き気、頭痛、不正出血などの副作用が起こることがあります。

  • 禁忌事項の確認
    血栓症のリスクがある人や、乳がんの既往がある人などは使用できません。

  • 喫煙との関係
    特に35歳以上の喫煙者は、血栓症のリスクが高まるため注意が必要です。

  • 性感染症への注意
    ピルは性感染症を予防できないため、必要に応じてコンドームの使用も検討しましょう。

ピル使用の長期的な影響

長期的なピル使用については、以下のような影響が報告されています。

  • 卵巣がんのリスク低下
    ピルの使用で卵巣がんのリスクが低下する可能性があります。

  • 子宮体がんのリスク低下
    長期使用で子宮体がんのリスクも低下する傾向があります。

ピルは適切に使用すれば安全で効果的な避妊法であり、月経関連の症状改善にも役立ちます。
しかし、個人の体質や健康状態によって適不適があるため、使用を検討する際は必ず医師に相談し、定期的な健康チェックを受けるようにしましょう。
また、ピルは処方箋が必要な医薬品であり、自己判断での使用は避けるべきです。

卵胞+黄体ホルモン配合薬(ピル)として使われる医薬品成分

レボノルゲストレル
レボノルゲストレルは、緊急避妊薬(アフターピル)の有効成分として使用されるホルモン剤です。プロゲステロンという女性ホルモンの一種に似た構造を持ち、その作用を模倣します。医療現場では、計画外の妊娠を防ぐ重要な役割を果たしています。 緊急避妊薬* レボノルゲストレルは、緊急避妊薬の主成分として広く使用さ...
エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオールは、合成エストロゲンの一種で、主に経口避妊薬(ピル)の有効成分として広く使用されています。天然のエストロゲンに比べて強力な効果を持ち、経口投与でも高い生物学的利用能を示すことが特徴です。 避妊* 最も一般的な用途は、経口避妊薬の成分としての使用です。通常、プロゲスチン(黄体ホ...
ドロスピレノン
ドロスピレノンは、ヤーズや、ヤーズフレックスというピルに含まれている成分です。主に経口避妊薬の成分として使用されますが、その特徴的な作用から、他の健康問題にも応用されています。 ドロスピレノンの主な用途は以下の通りです。 避妊* 最も一般的な用途は経口避妊薬の成分としての使用です。エチニルエスト...
デソゲストレル
デソゲストレルは、第3世代のプロゲスチン(合成黄体ホルモン)に分類される避妊薬成分です。経口避妊薬の有効成分として使用されますが、その特徴的な性質から他の婦人科領域の治療にも応用されています。 デソゲストレルの主な用途はこちらです。 低用量ピル* エチニルエストラジオールと組み合わせて、低用量の経...