キロサイド(Ara-C)
- 白血病治療の要:キロサイド(Ara-C)
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キロサイド(一般名:シタラビン、英語表記:Cytarabine)は、白血病の治療に広く使用される抗がん剤です。
特に急性骨髄性白血病(AML)の治療において中心的な役割を果たしています。投与量や投与スケジュールは、白血病の種類や患者の状態によって異なります。
他の抗がん剤と組み合わせて使用されることが多く、標準的な治療法の一つとなっています。急性リンパ性白血病(ALL)の一部の症例でも使用されることがあります。
- 副作用とその対策
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キロサイドは強力な抗がん剤であるため、様々な副作用が起こる可能性があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。-
骨髄抑制
白血球、赤血球、血小板の減少が起こることがあります。
感染症のリスクが高まったり、貧血や出血傾向が現れたりすることがあります。
定期的な血液検査を行い、必要に応じて輸血や抗生物質の投与を行います。 -
消化器症状
吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振などが起こることがあります。
制吐剤の使用や、食事の工夫(少量頻回食など)で症状を軽減できることがあります。 -
口内炎
口の中に痛みを伴う炎症が起こることがあります。
うがいの励行や、痛み止めの使用で対応します。 -
脱毛
一時的に髪が抜けることがあります。
治療終了後、徐々に回復します。
必要に応じてウィッグの使用も検討します。 -
皮膚症状
発疹やかゆみが現れることがあります。
保湿剤の使用や、必要に応じてステロイド軟膏を使用します。 -
肝機能障害
肝臓の機能が一時的に低下することがあります。
定期的な血液検査で肝機能をチェックします。 -
中枢神経系症状
高用量投与時に、ふらつきや意識障害が起こることがあります。
症状が現れた場合は直ちに医師に相談し、投与量の調整を行います。
これらの副作用は、投与量や個人の状態によって出現の程度が異なります。
医療スタッフとコミュニケーションを取り、早期発見・早期対応することが大切です。 -
- キロサイドの使用上の注意点
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キロサイドを使用する際は、以下の点に注意が必要です。
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投与前の検査
肝機能や腎機能、血球数などを確認します。 -
感染症への注意
白血球が減少するため、感染症のリスクが高まります。
手洗いやマスク着用など、感染予防策を徹底します。 -
出血への注意
血小板が減少するため、出血しやすくなります。
怪我に注意し、歯磨きは柔らかい歯ブラシを使うなどの配慮が必要です。 -
他の薬との相互作用
一部の薬とキロサイドを併用すると、効果が増強されたり副作用が強くなったりすることがあります。
使用中の薬がある場合は必ず医師に伝えましょう。
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