イホマイド(IFM)
- イホマイド(IFM)が効果を示すがん
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イホマイドは、化学名をイホスファミドという抗がん剤です。
エンドキサンと同じアルキル化剤のグループに属し、強力な抗腫瘍効果を持つことで知られています。イホマイドが主に使用されるがんには、以下のようなものがあります。
- 肺小細胞がん
- 前立腺がん
- 子宮頸がん
- 骨肉腫
- 胚細胞腫瘍(再発又は難治性)
- 悪性リンパ腫
投与量や頻度は、治療するがんの種類や進行度、患者の体調によって異なります。
また、イホマイドは、単独で使用されることもありますが、以下のがんの場合、他の抗がん剤と組み合わせて使用します。
- 悪性骨・軟部腫瘍
- 小児悪性固形腫瘍
- 副作用とその管理
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イホマイドは強力な抗がん剤であるため、様々な副作用が起こる可能性があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。- 骨髄抑制(白血球や血小板の減少)
- 吐き気・嘔吐
- 脱毛
- 出血性膀胱炎
- 腎機能障害
- 神経毒性
5%以上の患者に現れるのは、蛋白尿や悪心* 嘔吐、食欲不振の他、脱毛、倦怠感です。
5%未満では、頭痛や頭重感、めまい、不眠、脱力感、知覚異常、抑うつなどがあります。上記のうち重大な副作用は骨髄抑制で、場合によっては投与間隔の延長や減量、投与の中止などの措置が取られます。
これらの副作用に対しては、様々な対策が取られます。
例えば、骨髄抑制に対しては、G-CSFという薬剤を使用して白血球の回復を促進し、吐き気には強力な制吐剤を使用します。
出血性膀胱炎の予防には、メスナという薬剤を併用し、十分な水分摂取を行います。特に注意が必要なのは、中枢神経系への影響です。
イホマイドの投与中や投与後に、意識障害や錯乱などの症状が現れることがあります。
これらの症状が現れた場合は、速やかに医療スタッフに報告することが大切です。 - イホマイドの位置づけ
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イホマイドは、特定のがんの治療において重要な役割を果たしています。
しかし、強力な抗腫瘍効果を持つ反面、副作用のリスクも比較的高い薬剤です。
そのため、使用にあたっては慎重な判断が必要とされます。
医師は患者の状態を細かくチェックし、イホマイドの使用によるメリットとリスクを慎重に比較検討します。イホマイドによる治療は入院して行われることが多いのですが、これは副作用の管理や投与中の状態観察を適切に行うためです。
治療中は、医療スタッフによるチェックが行われ、必要に応じて支持療法を行います。今後も、イホマイドを含む化学療法の最適化や、新たな併用療法の開発などが進められていくことが期待できます。