エンドキサン(CPA)
- エンドキサン(CPA)はどんな抗がん剤?
-
エンドキサンは、医療現場で広く使用されている抗がん剤の一つです。
化学名をシクロホスファミドと言い、アルキル化剤というグループに属します。
多くの種類のがんに効果を示すことから、がん治療の基本薬として長年使用されてきました。エンドキサンは、様々な種類のがんの治療に使われます。
主な対象となるがんには以下のようなものがあります。- 多発性骨髄腫
- 悪性リンパ腫
- 乳がん
- 急性白血病
- 真性多血症
- 肺がん
- 神経腫瘍
- 骨腫瘍
他の抗腫瘍剤と併用すれば、以下のがんにも効きます。
- 慢性リンパ性白血病
- 慢性骨髄性白血病
- 咽頭がん
- 胃がん
- 膵がん
- 肝がん
- 結腸がん
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 睾丸腫瘍
- 絨毛性疾患
- 横紋筋肉腫
- 悪性黒色腫
これだけ多くの種類のがんに効果があるため、エンドキサンは「万能薬」的な存在として知られています。
- 投与方法と治療スケジュール
-
エンドキサンは、主に以下の2つの方法で投与されます。
- 点滴による静脈内投与
- 錠剤による経口投与
投与方法や頻度は、治療するがんの種類や進行度、患者の全体的な健康状態によって異なります。
例えば、点滴の場合は数日間連続で投与し、その後休薬期間を設けるというサイクルを繰り返すことがあります。
経口投与の場合は、毎日または隔日で一定期間服用することがあります。 - 副作用とその対策
-
エンドキサンは多くのがんに効果を示す反面、様々な副作用を引き起こす可能性があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。- 骨髄抑制(白血球や血小板の減少)
- 吐き気・嘔吐
- 脱毛
- 食欲不振
- 口内炎
- 膀胱炎
これらの副作用に対しては、様々な対策があります。
例えば、骨髄抑制に対しては、G-CSFという薬剤を使用して白血球の回復を促進することがあります。
吐き気に対しては、制吐剤を使用して症状を軽減します。また、エンドキサンには出血性膀胱炎を引き起こす可能性があるため、治療中は十分な水分摂取を行います。
- エンドキサンの歴史と今後
-
エンドキサンは1950年代に開発された薬剤ですが、現在でも広く使用されています。
長年の使用実績があり、その効果と安全性について多くのデータが蓄積されています。一方で、近年はより副作用の少ない新しい抗がん剤や、がんの特性に合わせた分子標的薬なども開発されています。
そのため、エンドキサンの使用頻度は以前と比べると減少傾向にあります。しかし、その幅広い効果と長年の使用実績から、エンドキサンは今後も多くのがん治療で重要な役割を果たし続けると考えられています。
特に、他の薬剤と組み合わせた併用療法の一部として、その価値は高く評価されています。