エクザール(VBL)

エクザールの投与方法

エクザール(一般名:ビンブラスチン硫酸塩)は、抗がん剤の一種で、植物アルカロイド系薬剤に分類されます。
略称のVBLは、ビンブラスチン(Vinblastine)に由来します。
エクザール注射用10mgの場合、悪性リンパ腫や絨毛性疾患の治療に用いられます。

投与方法は症状や患者によって異なりますが、基本的な投与方法では、1日目にメトトレキサート30mg/㎡を投与します。
そして2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡、ドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/㎡、シスプラチン70mg/㎡を投与し、15日目と22日目にメトトレキサート30mg/㎡とビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡を投与します。
4週ごとに、この1コースを繰り返します。

エクザールの作用機序

エクザールは以下のような仕組みでがん細胞の増殖を抑制します。

  • 微小管の形成阻害
    細胞分裂に必要な微小管の形成を妨げます。

  • 細胞分裂の停止
    分裂期の細胞周期を停止させます。

  • アポトーシスの誘導
    がん細胞の自然死(アポトーシス)を促進します。

エクザール使用に伴う副作用と対策

エクザール使用に伴う主な副作用と対策は以下の通りです。

  • 骨髄抑制
    白血球や血小板の減少が起こります。
    感染症や出血に注意が必要です。

  • 末梢神経障害
    手足のしびれや痛みが生じることがあります。
    症状が強い場合は用量調整が必要です。

  • 脱毛
    一時的な脱毛が起こることがありますが、治療終了後に回復します。

  • 消化器症状
    吐き気や食欲不振が現れることがあります。
    制吐剤の使用が有効です。

  • 便秘
    適度な運動や水分摂取、必要に応じて緩下剤の使用が推奨されます。

  • 口内炎
    うがいの励行や、口腔内の保湿が有効です。

副作用のうち、白血球減少や血小板減少、貧血 、歩行困難などには注意が必要です。

エクザールの使用上の注意点

エクザールを使用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 相互作用
    他の薬剤との相互作用に注意が必要です。
    使用中の全ての薬剤を医師に伝えましょう。

  • 感染症リスク
    免疫機能が低下するため、感染症には十分注意が必要です。

  • 妊娠・授乳
    妊娠中や授乳中の使用は避けるべきです。
    適切な避妊も必要です。

  • 定期検査
    血液検査など、定期的な検査が重要です。

  • 日常生活の注意
    怪我や出血に注意し、激しい運動は控えめにしましょう。

  • 予防接種
    生ワクチンの接種は避ける必要があります。
    ワクチン接種の際は事前に医師に相談してください。

  • 食事
    バランスの取れた食事を心がけ、十分な栄養と水分を摂取しましょう。

治療中の体調変化や新たな症状については、早めの報告が重要です。