メソトレキセート(MTX)
- メソトレキセート(MTX)の適応症
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メソトレキセート(MTX)は、リウマチ性疾患や自己免疫疾患の治療などに広く使用される薬剤です。
世界的に見ても、リウマチ治療の第一選択薬となっています。
葉酸代謝拮抗薬に分類され、細胞の増殖を抑制する作用があります。MTXは以下のような疾患の治療に用いられます。
- 関節リウマチ
- 乾癬
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- 一部の血液がんや固形がん
- 妊娠性絨毛性腫瘍
- MTXの作用機序
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MTXは以下のような仕組みで効果を発揮します。
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葉酸代謝の阻害
細胞分裂に必要な葉酸の働きを妨げます。 -
炎症性サイトカインの抑制
免疫系の過剰な活動を抑えます。 -
アデノシンの産生促進
抗炎症作用を持つアデノシンの産生を増やします。
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- MTX使用時の副作用と対策
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MTX使用に伴う主な副作用と対策は以下の通りです。
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悪心・嘔吐
制吐剤の使用や、服用時間の調整で軽減できることがあります。 -
口内炎
うがいの励行や、口腔内の保湿が有効です。 -
肝機能障害
定期的な肝機能検査が必要です。
アルコールは控えめにしましょう。 -
骨髄抑制
血液検査でモニタリングします。
感染症には注意が必要です。 -
間質性肺炎
咳や息切れなどの症状に注意し、異常を感じたら速やかに報告してください。 -
脱毛
通常は軽度で、休薬により改善します。 -
倦怠感
十分な休養を取り、無理のない範囲で活動しましょう。
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- 使用上の注意点
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MTXを使用する際は、以下の点に注意が必要です。
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葉酸補充
MTXによる副作用を軽減するため、葉酸の補充が行われることがあります。 -
相互作用
NSAIDsなど、他の薬剤との相互作用に注意が必要です。
使用中の全ての薬を医師に伝えましょう。 -
感染症リスク
免疫機能が低下するため、感染症には注意が必要です。 -
妊娠・授乳
妊娠中や授乳中の使用は避けるべきです。
また、男女ともに避妊が必要です。 -
アルコール
肝機能への影響を考慮し、飲酒は控えめにしましょう。 -
定期検査
血液検査や肝機能検査など、定期的な検査が重要です。 -
副作用の早期発見
新たな症状や体調の変化があれば、速やかに報告してください。 -
服用管理
週1回の服用を間違えないよう、カレンダーなどで管理しましょう。 -
日光過敏
皮膚が日光に敏感になることがあるため、日焼け対策を心がけましょう。 -
ワクチン接種
生ワクチンの接種は避ける必要があります。
ワクチン接種の際は事前に医師に相談してください。
不安や疑問がある場合は、遠慮なく医療スタッフに相談しましょう。
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