BCG

BCGは膀胱がん治療にも使われる

BCG(Bacillus Calmette-Guerin)は、結核予防のワクチンとして広く知られていますが、膀胱がんの治療にも使用される薬剤です。
膀胱がん治療におけるBCGは、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の再発予防や、高リスクの表在性膀胱がんの治療に用いられます。

膀胱がん治療におけるBCGの正確な作用機序は完全には解明されていませんが、主に以下のように考えられています。

  • 免疫系の活性化
    BCGは膀胱内で免疫反応を引き起こし、がん細胞を攻撃する免疫細胞を活性化します。

  • 炎症反応の誘発
    局所的な炎症反応を引き起こし、がん細胞の成長を抑制します。

  • 直接的な抗腫瘍効果
    BCG自体が、がん細胞に対して直接的な殺傷効果を持つ可能性があります。

BCG療法が持つ治療効果

BCG療法は、高リスクの表在性膀胱がんに対して高い効果を示します。

  • 再発予防
    TURBTだけの場合と比較して、がんの再発率を大幅に低下させます。

  • 進行抑制
    筋層浸潤性膀胱がんへの進行を防ぐ効果があります。

  • 長期的な効果
    適切に実施された場合、長期間にわたって効果が持続します。

BCG療法による副作用と対策

BCG療法には以下のような副作用が伴うことがあります。

  • 頻尿・排尿時痛
    治療直後によく見られますが、通常は一時的です。
    十分な水分を摂取しましょう。

  • 発熱・倦怠感
    軽度の場合は経過観察で改善しますが、高熱が続く場合は医師に相談が必要です。

  • 血尿
    軽度の場合は経過観察しますが、大量の場合は医療機関を受診してください。

  • 全身性BCG感染
    まれですが重篤な副作用です。
    発熱や全身倦怠感が続く場合は速やかに医療機関を受診してください。

  • アレルギー反応
    皮疹や関節痛が現れることがあります。
    症状が強い場合は治療の中断が必要になることもあります。

注意しておきたいこと

また、BCG療法を受ける際は、以下の点に注意が必要です。

  • 投与前の確認
    尿路感染症や外傷がある場合は、治療を延期する必要があります。

  • 排尿管理
    治療後2時間は排尿を我慢し、その後の排尿時には消毒液で便器を消毒します。

  • 水分摂取
    十分な水分摂取を心がけ、膀胱を洗い流すようにします。

  • 副作用の観察
    異常な症状が現れた場合は、速やかに医療スタッフに連絡してください。

BCG療法は、適切に実施されれば高リスクの表在性膀胱がんに対して効果的な治療法です。
しかし、副作用や注意点もあるため、わからないところや不安点があれば医師に聞いておきましょう。
治療中の変化や疑問点がある場合にも、積極的に医療スタッフと相談してください。