アドリアシン(DXR)

アドリアシン(DXR)の幅広い活躍

アドリアシン(一般名:ドキソルビシン)は、がん治療で広く使われている抗がん剤の一つです。
さまざまな種類のがんに効果を示すことから、多くの患者の治療に用いられています。
アドリアシンは、主に以下のようながんの治療に使用されます。

  • 悪性リンパ腫
  • 肺癌
  • 胃がん
  • 胆のう* 胆管がん
  • 膵臓がん
  • 肝がん
  • 結腸がん
  • 直腸がん
  • 乳癌
  • 膀胱腫瘍
  • 骨肉腫

アドリアシンは単独で使用されることもありますが、多くの場合、他の抗がん剤と組み合わせて使用されます。

アドリアシン治療中の生活上の注意点

アドリアシンによる治療中は、日常生活においていくつかの注意点があります。

  • 十分な休養をとる
    治療後は疲労を感じることが多いため、無理をせず休息を取ることが大切です。

  • バランスの良い食事を心がける
    体力の維持と回復のため、栄養バランスの取れた食事を摂りましょう。

  • 感染症に注意する
    アドリアシンは免疫機能を低下させる可能性があるため、手洗いやうがいなど、感染予防に努めましょう。

  • 口内炎の予防
    歯磨きを丁寧に行い、刺激の少ない食事を心がけましょう。

アドリアシン治療における副作用とその対処法

アドリアシンは効果的ながん治療薬である一方で、いくつかの副作用が知られています。
主な副作用とその対処法について説明します。

  • 吐き気・嘔吐
    吐き気や嘔吐は、アドリアシン治療の一般的な副作用です。
    治療前や治療中に制吐剤を投与することで、症状を軽減できることがあります。
    また、消化しやすい食事を少量ずつ取ることで、胃への負担を軽減できます。
    こまめに水分を取ることで、脱水を予防し、体調を維持することも忘れずに。

  • 脱毛
    アドリアシンによる脱毛は一時的なものであり、治療終了後には通常、髪の毛は再び生えてきます。
    外見の変化を気にする場合は、かつらやスカーフを使用することで対応できます。
    脱毛中も頭皮を清潔に保ち、保湿することが大切です。

  • 骨髄抑制
    白血球、赤血球、血小板の減少が起こることがあります。
    これに対しては、治療中に定期的に血液検査を行い、血球数をモニタリングし、手洗い、うがいなどの基本的な感染予防策を徹底します。
    重度の貧血や血小板減少の場合は、輸血や薬物療法が行われることがあります。

  • 口内炎
    口内炎の予防と対処法としては、治療中はこまめに歯磨きや口内のうがいを行い、口腔内を清潔に保ちます。
    熱いものや刺激の強い食べ物を避け、軟らかい食事を心がける他、口内の乾燥を防ぐため、こまめに水分を取ったり、保湿ジェルを使用したりします。

これらの副作用は患者によって現れ方や程度が異なります。
不安な症状がある場合は、必ず担当医や看護師に相談してください。