代謝拮抗薬(葉酸代謝拮抗薬)
- 代謝拮抗薬(葉酸代謝拮抗薬)の一覧
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代謝拮抗薬あるいは葉酸代謝拮抗薬は、がん細胞の増殖に必要な葉酸の働きを阻害することで抗がん効果を発揮する抗がん剤です。
たくさんの種類があり、以下のような薬が使われます。-
メトトレキサート(MTX)
最も広く使用されている葉酸代謝拮抗薬で、リウマチ、乾癬などの自己免疫疾患にも使用されます。
絨毛がん 、乳がん、膀胱がんなどに使います。 -
ペメトレキセド
新世代の葉酸代謝拮抗薬で、主に非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫に使用します。
静脈内投与で使用 ビタミンB12と葉酸の補充が必要になってくるため、葉酸製剤とビタミンB12製剤を併用して投与します。 -
プララトレキサート
主に末梢性T細胞リンパ腫に使用される薬で、こちらもペメトレキセドと同様にビタミンB12と葉酸の補充が必要です。
これらの薬剤は、がん細胞のDNA合成を阻害することで増殖を抑制します。
単独で使用されることもありますが、他の抗がん剤と併用されることも多くあります。 -
- 葉酸代謝拮抗薬の副作用と対処法
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葉酸代謝拮抗薬にも、他の抗がん剤と同様に副作用があります。
主な副作用とその対処法を見ていきましょう。骨髄抑制
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白血球減少
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血小板減少
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貧血
対処法としては、定期的な血液検査とG-CSF製剤の使用(白血球減少時)、輸血(重度の貧血時)、投与量の調整などがあります。
消化器症状
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吐き気、嘔吐
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食欲不振
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下痢
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口内炎
上記の症状が辛い場合は、制吐剤を使用したり、小分けで食事を摂ったりする他、口腔ケア(うがい、歯磨き)や整腸剤の使用が有効です。
皮膚症状
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発疹
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色素沈着
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脱毛
皮膚症状には、保湿ケア、日光暴露を避けることを意識し、症状が重い場合は投与量の調整をします。
疲労感
疲労感がある場合は、十分な休息とバランスの取れた食事を心掛け、体調に応じて軽い運動を行います。
また、葉酸代謝拮抗薬の使用中は、葉酸やビタミンB12の補充により一部の副作用を軽減できる可能性があります。
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- 葉酸代謝拮抗薬の使用上の注意点
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葉酸代謝拮抗薬を使用する際は、以下の点に注意が必要です。
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水分摂取
十分な水分摂取が必要です。
腎臓への負担を軽減し、薬剤の排泄を促進しましょう。 -
葉酸・ビタミンB12の補充
一部の薬剤では、これらの補充が副作用軽減に重要になってきます。 -
定期的な検査
血液検査、肝機能検査、腎機能検査、胸部X線検査などを定期的に受ける必要があります。
葉酸代謝拮抗薬は長期使用による副作用のリスクもあるため、定期的な経過観察が大切です。
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