代謝拮抗薬(フッ化ピリミジン系)

代謝拮抗薬(フッ化ピリミジン系)の代表フルオロウラシル

フッ化ピリミジン系薬剤は、がん治療に広く使用される代謝拮抗薬の一種です。
主な薬剤とその特徴を以下に示します。

フッ化ピリミジン系薬剤の代表的なものに、フルオロウラシル(5-FU)という薬があります。
フルオロウラシルは最も古くから使用されているフッ化ピリミジン系薬剤で、胃がんや乳がんなど多くのがん種に使用します。
消化器がんでは胃がんの他に結腸* 直腸がんにも使われますし、子宮頸がんなどのがんにも使います。

フッ化ピリミジン系薬剤は、がん細胞のDNA合成を阻害することで抗がん効果を発揮します。
単独で使用されることもありますが、他の抗がん剤と併用されることも多くあります。

フッ化ピリミジン系薬剤の副作用と対処法

フッ化ピリミジン系薬剤にも、他の抗がん剤と同様に副作用があります。
主な副作用とその対処法を見ていきましょう。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 口内炎

消化器系の副作用への対処法としては以下の方法があります。

  • 制吐剤の使用
  • 少量頻回の食事
  • 口腔ケア(うがい、歯磨き)
  • 整腸剤の使用

フッ化ピリミジン系薬剤の骨髄抑制は比較的軽いと言われていますが、血球減少や感染症には注意が必要です。
以下の症状が出たら医師に連絡しましょう。

  • 発熱
  • のどの痛み
  • 歯茎出血
  • 皮下出血

上記のような副作用には、定期的な血液検査の他、G-CSF製剤の使用(白血球減少時)や輸血(重度の貧血時)を行います。

これらの副作用の多くは、薬剤の投与量や投与スケジュールの調整、対症療法により管理することができます。
軽い副作用であれば治療を優先することもありますが、副作用が現れた場合は、自己判断で投薬を中止せず、必ず担当医に相談してください。

フッ化ピリミジン系薬剤の使用上の注意点

フッ化ピリミジン系薬剤を使用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 高齢者への投与
    副作用が出やすい傾向があるので、慎重な投与量設定と経過観察が必要です。

  • 妊娠・授乳中の使用
    胎児への影響のリスクがあるため、原則として使用を避けます。
    授乳中の使用も避けることが推奨されています。

  • 感染症のリスク
    白血球減少により感染症にかかりやすくなることがあります。
    手洗いやうがいなどの感染予防策が基本です。

  • 服薬管理
    経口薬の場合、決められた時間に正確に服用しなければなりません。
    飲み忘れや過剰服用に注意しましょう。

これらの注意点を守り、医師や薬剤師の指示に従ってフッ化ピリミジン系薬剤を服用しましょう。

代謝拮抗薬(フッ化ピリミジン系)として使われる医薬品成分

フルオロウラシル
フルオロウラシルは、多くのがん治療で使われる抗がん剤の一種です。がん細胞の増殖を抑える働きがあり、様々な種類のがんの治療に用いられています。フルオロウラシルは、がん細胞が新しいDNAを作るのを邪魔することで、がん細胞の増殖を抑えますがん細胞は正常な細胞よりも速いスピードで増殖するため、この薬の影響を受...