インテグラーゼ阻害薬

インテグラーゼ阻害薬(INSTIs)の種類

インテグラーゼ阻害薬(INSTIs)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)治療に使われる薬です。
これらの薬は、インテグラーゼという酵素を阻害することで、体内でのHIVの感染拡大を抑えます。

主なインテグラーゼ阻害薬とその特徴を以下で見ていきましょう。

  • ラルテグラビル(RAL)
    アイセントレスなどの商品があり、食事の有無に関わらず服用できます。

  • ドルテグラビル(DTG)
    テビケイなどの商品があり、通常、1日1回または2回服用します。
    ドルテグラビルには配合薬もあり、トリーメク配合剤(ドルテグラビルとアバカビルやラミブジンの配合剤)や、ジャルカ配合錠(ドルテグラビルとリルピビリンの配合錠)があります。

  • カボテグラビル(CAB)
    ボカブリアなどの商品があり、内服薬と注射剤があります。
    内服薬の場合は通常、1日1回服用し、リルピビリン塩酸塩と併用します。

インテグラーゼ阻害薬は効果が高く、副作用が比較的少ないため、現在のHIV治療の中心的な選択肢となっています。

インテグラーゼ阻害薬ならではの特徴

インテグラーゼ阻害薬は主に経口投与(カボテグラビルは注射剤もある)で、多くは1日1回の服用です。
また、食事の影響を受けにくい薬剤が多いこと、通常、2種類のインテグラーゼ阻害薬と組み合わせて使用することなどが特徴です。

治療効果としては、HIV量(ウイルス量)の急速な減少や免疫機能を回復させられることに注目ですが、依然定期的なウイルス量の検査や診察が必要です。

インテグラーゼ阻害薬使用時の注意点と副作用

インテグラーゼ阻害薬を使用する際の注意点と主な副作用について説明します。

主な副作用には以下があります。

  • 頭痛
  • 不眠症
  • 吐き気
  • 下痢
  • 疲労感

長期使用による影響では、体重増加や骨密度への影響(他のHIV薬と比較して軽度)にも注意を払っておきましょう。

インテグラーゼ阻害薬は、他のHIV治療薬と比較して副作用が少なく、使いやすい薬剤です。
しかし、長期使用による影響や稀な副作用の可能性もあるため、体調のチェックは欠かさないようにしましょう。
定期的な検査を通じて治療の効果を最大化でき、副作用のリスクは最小限に抑えることができます。

また、生活習慣の改善(適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠など)により、全体的な健康状態を維持し、治療の効果を高めることもできます。
服薬に関して気になる症状や不安がある場合は、遠慮なく担当医に相談しましょう。