抗真菌薬(イミダゾール系)
- 抗真菌薬(イミダゾール系)とは?
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人体には様々な微生物が棲息していますが、その中には真菌も含まれます。
通常は問題ありませんが、時として異常増殖し、感染症を引き起こすことがあります。
そんな時に活躍するのが抗真菌薬で、その中には「イミダゾール系」という種類があります。イミダゾール系抗真菌薬は、真菌の細胞膜の主要成分であるエルゴステロールの合成を阻害することで、真菌の成長を抑制します。
この薬剤群には以下のような特徴があります。-
広範囲の抗真菌スペクトル
多くの種類の真菌に効果を発揮 -
局所投与と全身投与が可能
外用薬と内服薬の両方が存在 -
抗炎症作用
一部の薬剤には炎症を抑える効果もある -
比較的低い毒性
他の抗真菌薬に比べて副作用が少ない -
長期使用が可能 慢性的な真菌感染症の治療に適している
これらの特性により、イミダゾール系抗真菌薬は医療現場で幅広く使用されています。
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- 世代で分けられるイミダゾール系抗真菌薬
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イミダゾール系抗真菌薬には、複数の種類があります。
それぞれ特徴が異なり、症状や感染部位に応じて使い分けられます。イミダゾール系は、1990年代を境に薬の特徴が変わってきました。
1990年代以前に発売されたイミダゾール系抗真菌薬はカンジダの治療に使われており、白癬にはあまり効果がありませんでした。
しかし、1990年代以降に使われるようになったものは、白癬とカンジダの両方に効果を発揮する薬となりました。世代別に、代表的な薬剤を紹介します。
1990年代以前のイミダゾール系抗真菌薬は以下の通りです。- エンペシド(クロトリマゾール)
- アデスタン(イソコナゾール)
- エクセルダーム(スルコナゾール)
- オキナゾール(オキシコナゾール)
- マイコスポール(ビホナゾール)
- ニゾラール(ケトコナゾール)
1990年代以降のイミダゾール系抗真菌薬はこちらです。
- アトラント(ネチコナゾール)
- アスタット(ラノコナゾール)
- ルリコン(ルリコナゾール)
- ルコナック(ルリコナゾール)
- イミダゾール系抗真菌薬の効果的な使用方法
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イミダゾール系抗真菌薬を最大限に活用するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
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正確な服用・塗布
指示された時間と量を守り、確実に薬を使用しましょう。 -
治療期間の遵守
症状が改善しても、指定された期間は最後まで治療を続けることが大切です。 -
副作用の観察
異常な症状が現れた場合は、速やかに医療機関に相談しましょう。 -
衛生管理
感染部位を清潔に保ち、薬の効果を高めましょう。 -
定期的な経過確認
特に長期治療の場合は、定期的に医師の診察を受けることが重要です。
これらのポイントを意識しながら薬を使用することで、真菌感染症を効率的に治療できます。
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抗真菌薬(イミダゾール系)として使われる医薬品成分
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