抗真菌薬(フッ化ピリミジン系)
- フッ化ピリミジン系抗真菌薬の有効菌種と適応症
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フッ化ピリミジン系抗真菌薬は、真菌感染症の治療に使用される薬剤群です。
この系統の薬剤は、真菌の増殖を抑制することで効果を発揮します。
カンジダ、クリプトコックスなどの酵母真菌と呼ばれるものに対して特に有効で、以下が有効菌種です。- クリプトコックス
- カンジダ
- アスペルギルス
- ヒアロホーラ
- ホンセカエア
適応症には真菌血症や真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、黒色真菌症、尿路真菌症、消化管真菌症などがあります。
どんな症状に処方されるかによって用量は変わりますが、真菌血症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、黒色真菌症の場合、フルシトシンとして1日100~200mg/kgを4回に分けて経口投与します。
尿路真菌症、消化管真菌症の場合は、フルシトシンとして1日50~100mg/kgを4回に分けて経口投与します。
フッ化ピリミジン系抗真菌薬は吸収が良いことがメリットですが、耐性が生じることで効き目が悪くなることはデメリットです。
このデメリットを解決するために、他の抗真菌薬と併用します。 - 注意すべき副作用
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フッ化ピリミジン系抗真菌薬の中でも、フルシトシンという成分が入っているアンコチル錠の場合、以下の副作用が報告されています。
- 骨髄抑制(白血球減少、血小板減少)
- 消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢)
- 皮疹
中でも、吐き気や嘔吐などの胃腸症状が最も起こりやすいため、辛ければ医師に相談しましょう。
症状に応じた対症療法や、必要に応じた投与量の調整をしたり、重度の副作用が現れた場合は、医師が投与の中止をすることがあります。 - フッ化ピリミジン系抗真菌薬の選択
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どのフッ化ピリミジン系抗真菌薬が処方されるかは、以下のような点が考慮されます。
- 感染症の種類と重症度
- 原因真菌の推定と薬剤感受性
- 患者の年齢や基礎疾患
- 他の薬剤との相互作用
- 副作用のリスク
- 投与経路と頻度の便利さ
また、薬物相互作用も考えて薬が選ばれます。
フッ化ピリミジン系抗真菌薬は、多くの薬剤と相互作用を示すからです。 - 耐性菌の問題と適正使用
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フッ化ピリミジン系抗真菌薬は、耐性菌の出現が問題となっています。
特に、カンジダ・グラブラータやカンジダ・クルーゼイなどのフルコナゾール耐性菌の増加が懸念されています。耐性菌の出現を防ぐため、以下のような適正使用を心がけましょう。
- 適切な診断に基づいた使用
- 適切な用量と投与期間の遵守
- 不必要な予防投与を避ける
- 他の抗真菌薬で十分な場合は、フッ化ピリミジン系を温存する
- 定期的な薬剤感受性試験の実施