ニューキノロン系抗菌薬
- ニューキノロン系抗菌薬の特徴とは?
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ニューキノロン系抗菌薬は合成抗菌薬の一群で、広範囲の細菌に対して強力な効果を示し、多くの感染症の治療に使用されています。
細菌の増殖に必要な酵素を阻害することで、抗菌作用を示します。
尿路感染症、腸管感染症、呼吸器感染症などの治療に使われています。この系統の抗菌薬には、以下のような特徴があります。
- 広範囲の細菌に効果がある
- 経口投与と注射投与の両方が可能
- 組織への浸透性が高い
- 殺菌的に作用する
- 1日1回または2回の投与で済む薬剤が多い
これらの特徴により、ニューキノロン系抗菌薬は多くの感染症の治療で活躍しています。
- ニューキノロン系抗菌薬の商品名
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ジェニナック
この薬は特に、肺炎球菌が原因となる肺炎や中耳炎などへの治療を得意としています。 -
アベロックス
腎機能障害がある患者は注意すべき薬は多いですが、こちらの薬は腎機能への負担が少ないため、安全性が高いことが特徴です。
しかし、QT延長症候群などに注意しなければいけないので、心血管系疾患がある患者は注意が必要です。 -
オゼックス
ニューキノロン系抗菌薬としては珍しく、小児用の細粒剤があります。 -
シプロキサン
緑膿菌が原因で起こる呼吸器感染症、尿路感染症などに強い効果を表します。 -
クラビット
こちらは使用実績が長いことから、安全性が高いとされている薬です。
そのため、長期使用に適しています。
ニューキノロン系抗菌薬の選択には、以下のような点が考慮されます。
- 感染症の種類と重症度
- 原因菌の推定と薬剤感受性
- 患者の年齢や基礎疾患
- 他の薬剤との相互作用
- 副作用のリスク
- 投与経路と頻度の便利さ
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- どんな副作用があるのか
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ニューキノロン系抗菌薬にも、他の抗菌薬と同様に副作用が起こる可能性があります。
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消化器症状
吐き気、下痢、腹痛など -
中枢神経症状
めまい、頭痛、不眠、けいれんなど -
腱障害
まれに腱の炎症や断裂が起こることがある -
QT延長
心電図のQT間隔が延長し、不整脈のリスクが高まることがある -
血糖異常
低血糖、高血糖など
ニューキノロン系抗菌薬を服用する際には、ミネラルを含む製剤や食品との食べ合わせ* **飲み合わせには注意が必要です。
ニューキノロン系抗菌薬の吸収が阻害されることがあるからです。
もしミネラルを含む食品などを摂取する場合は、ニューキノロン系抗菌薬の服用から2時間以上間を空けましょう。上記の副作用の関係で、小児患者への使用は、原則として避けるべきです(成長期の関節軟骨に影響を与える可能性があるため)。
また、高齢者では、中枢神経系の副作用が出やすいため、注意が必要です。他に、てんかんや痙攣の既往がある患者や腱障害のリスクがある患者(高齢者、ステロイド使用中の患者など)も注意が必要です。
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ニューキノロン系抗菌薬として使われる医薬品成分
- レボフロキサシン
- レボフロキサシンは、フルオロキノロン系に属する広域スペクトル抗菌薬です。多くの種類の細菌に対して効果を示すことから、様々な感染症の治療に用いられています。 レボフロキサシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および一部の嫌気性菌に対して幅広い抗菌活性を示します。主な対象菌には以下のようなものがあります...
- トスフロキサシン
- トスフロキサシンは、細菌感染症の治療に使われる抗菌薬です。主に呼吸器系や尿路系の感染症に効果があり、細菌のDNAの複製を阻害することで細菌の増殖を止めます。 トスフロキサシンは、さまざまな細菌感染症に対して効果を発揮します。代表的な症状には以下のようなものがあります。 気管支炎:のどの奥や気管支に...
- ノルフロキサシン
- ノルフロキサシンは、尿路感染症の治療によく用いられる抗菌薬です。膀胱炎や腎盂腎炎といった尿路の感染症に効果を発揮し、細菌の増殖を抑えることで感染症と戦います。 ノルフロキサシンは、フルオロキノロン系と呼ばれる抗菌薬のグループに属し、細菌のDNA合成を妨げることで効果を発揮します。特にグラム陰性菌と呼...