ピラジナミド製剤(PZA)
- ピラジナミド製剤(PZA)の特徴と服用方法
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ピラジナミド(PZA)は結核化学療法剤で、他の抗結核薬と併用して使います。
ピラジナミドには、以下のような特徴があります。- 結核菌に対する強い殺菌作用
- 酸性環境下で特に効果を発揮
- 経口投与が可能
- 組織への良好な浸透性
- 他の抗結核薬との相乗効果
特に、肺の中の酸性環境に潜む休眠状態の結核菌に対して効果的です。
ピラジナミドの一般名はピラジナミドで、1日量1.5~2.0gを1~3回に分けて経口投与し、他の抗結核薬(イソニアジド、リファンピシン、エタンブトールなど)と併用して使います。
他の抗結核薬と同時に服用することが多いです。錠剤を噛まずに、十分な水とともに飲み込むようにしましょう。
服用を忘れた場合は、気づいたときにすぐに服用しますが、次の服用時間が近い場合は飛ばして通常のスケジュールに戻ります。
決して2回分を一度に服用してはいけません。 - 副作用とその対策
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ピラジナミドの主な副作用には以下のようなものがあります。
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肝機能障害:最も注意すべき副作用で、定期的な肝機能検査が必要です。
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関節痛・痛風発作:尿酸値の上昇によって起こることがあります。
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消化器症状:吐き気、嘔吐、食欲不振など
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皮疹やかゆみ
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光線過敏症
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好酸球増多症
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頭痛
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筋肉痛
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色素沈着
これらの副作用に対しては、以下のような対策で対処します。
- 定期的な肝機能検査の実施
- 尿酸値のモニタリング
- 症状に応じた対症療法(制吐剤の使用など)
- 必要に応じた投与量の調整
- 重度の副作用が現れた場合は、投与の中止を検討
ピラジナミドの投与を慎重に行わなければならないのは、糖尿病患者や痛風がある方です。
糖尿病患者では血糖値のコントロールが難しくなることがありますし、高尿酸血症や痛風の既往がある患者も、注意して使用する必要があります。また、腎機能障害のある患者では、投与量の調整が必要になることがあり、妊婦や授乳中の女性への使用については、慎重に検討する必要があります。
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- ピラジナミドと他の抗結核薬の併用
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ピラジナミドは通常、他の抗結核薬と併用して使用されます。
標準的な治療法では、以下の薬剤と組み合わせて使用されます。- イソニアジド(INH)
- リファンピシン(RFP)
- エタンブトール(EB)
この4剤併用療法にピラジナミドを加えることで、治療期間を短縮することができます。
各薬剤の役割は以下の通りです。
- ピラジナミド:酸性環境下の結核菌に対して効果的
- イソニアジド:活発に増殖する結核菌に対して強い効果
- リファンピシン:幅広い抗菌作用を持ち、殺菌的に作用
- エタンブトール:静菌的に作用し、耐性菌の出現を抑制