イソニアジド製剤(INH)
- イソニアジド製剤(INH)は結核治療薬
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イソニアジド(INH)は抗結核薬です。
結核は昔の病気のイメージが強いものですが、今でも年間10,000人以上の人が結核になり、1,600人以上が命を落としていると言います。
結核は感染症であり、その治療として使われるのが結核菌を殺菌する強い作用を持っているイソニアジド製剤なのです。イソニアジドには以下のような特徴があります。
- 結核菌に対する強力な殺菌作用
- 経口投与が可能
- 体内での代謝が速い
- 組織への良好な浸透性
- 低コスト
イソニアジドは主に以下のような治療や予防に使用されます。
- 活動性結核の治療
- 潜在性結核感染症の治療
- 結核の予防(高リスク群に対して)
通常、他の抗結核薬(リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミドなど)と併用して使用されます。
単剤で使用すると耐性菌が出現しやすいためです。 - 服用方法と副作用
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イソニアジドは通常、1日量は200~500mg(4~10mg/kg)で、2~5錠を1~3回に分け服用します。
毎日飲むこともありますが、週2日の服用方法もあります。イソニアジドには以下のような副作用があります。
- 肝機能の低下
- 指先のしびれ
- 食欲不振
- 湿疹
しかし、副作用が少ない薬で、上記の症状が出るのはまれです。
万が一気になる症状が出た場合は、医師に相談してください。使用上の制限と相互作用については、イソニアジドを使用する際にはアルコールとの併用は避けましょう。
肝毒性のリスクが増加します。
また、一部の抗てんかん薬との相互作用に注意が必要です。副作用が気になる場合などには、チーズや赤ワインなど、チラミンを多く含む食品との相互作用に注意しましょう。
妊婦や授乳中の女性でも使用可能ですが、妊娠していること、授乳していることは医師に伝えましょう。 - イソニアジドと他の抗結核薬の比較
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イソニアジドは、他の抗結核薬と比較して以下のような特徴があります。
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殺菌力
結核菌に対して非常に強い殺菌作用を持ちます。 -
耐性の出現
単剤で使用すると耐性が出現しやすいため、他の薬剤との併用が必要です。 -
副作用プロファイル
比較的安全性が高いですが、肝毒性に注意が必要です。 -
コスト
非常に安価であり、途上国でも使用されています。
イソニアジドは、高い有効性と比較的低い副作用のリスク、さらに低コストという特徴から、結核治療において中心的な役割を果たし続けています。
しかし、耐性菌の出現を防ぐために、他の抗結核薬との併用が不可欠です。
結核の治療を受ける際は、医師の指示を守り、定期的な検査を受けましょう。 -