セフェム系抗生物質

セフェム系抗生物質は世代で分けられる

セフェム系抗生物質は、ペニシリン系に次いで開発された抗生物質です。
抗生物質には「〇〇系」というように系統があるのですが、セフェム系抗生物質は広範囲の細菌に対して効果を示し、多くの感染症の治療に用いられています。

セフェム系抗生物質は、その開発時期や特性によって、いくつかの世代に分類されます。
第一世代は基本的にグラム陽性菌感染症に処方される抗菌薬で、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌による感染症に効果があります。

第二世代はグラム陰性菌にも効果を示し、第一世代よりも広い抗菌スペクトルを持ちます。
第三世代グラム陰性菌に対する効果が更に強化され、一部の薬剤は髄液移行性も良好です。

そして第四世代はグラム陽性菌とグラム陰性菌の両方に対して強い効果を示します。
ちなみに、2015年10月15日に発表された調査によると、病院で最もよく処方されるセフェム系抗生物質はセフカペンで、2位がセフジトレン、第3位はセフジニルだったそうです。

セフェム系抗生物質は何に効く?

セフェム系抗生物質は、主に黄色ブドウ球菌やレンサ球菌に効果があり、以下のような部位の感染症の治療に使います。

  • 呼吸器
  • 皮膚
  • 尿路

セフェム系抗生物質の使用方法は、薬剤や感染症の種類によって異なりますが、経口投与の場合は錠剤やカプセル、シロップ剤があります。
通常、1日2~4回の服用が一般的です。

注射投与の場合、主に静脈内注射や筋肉内注射で投与します。
重症感染症や経口投与が困難な場合に使います。
第四世代のセフェム系抗生物質は注射のみです。

セフェム系抗生物質使用時の注意点
  • アレルギー反応
    ペニシリンアレルギーのある患者の一部で、セフェム系抗生物質にも交差アレルギーを示すことがあります。

  • 副作用
    主な副作用には、胃腸障害(吐き気、下痢など)、発疹、肝機能障害、血液障害などがあります。

  • 腎機能障害患者への投与
    多くのセフェム系抗生物質は腎臓から排泄されるため、腎機能障害のある患者では用量調整が必要です。

また、セフェム系抗生物質を使用するときには、用量と使用期間を必ず守りましょう。
過少投与は治療効果を低下させ、耐性菌の出現リスクを高めます。
また、症状が改善しても、処方された全ての薬を服用しましょう。
長期使用の場合は、定期的な血液検査や腎機能検査などを行うことも大切です。

抗生物質の間違った使用は耐性菌の出現など、深刻な問題につながる可能性があるので、自己判断による服用や中止は止めましょう。

セフェム系抗生物質として使われる医薬品成分

セフカペンピボキシル塩酸塩水和物
セフカペンピボキシル塩酸塩水和物は、経口セフェム系抗生物質の一種です。この薬は、様々な細菌感染症の治療に使用されます。 セフカペンは幅広い細菌に対して効果を示し、主に以下のような感染症の治療に用いられます。 呼吸器感染症:気管支炎、肺炎など 耳鼻咽喉科領域の感染症:中耳炎、副鼻腔炎など 皮膚感染...
セフィキシム
セフィキシムは、広範囲の細菌に効果を示す経口抗生物質で、セフェム系と呼ばれる抗生物質のグループに属しています。多くの感染症の治療に使用され、細菌の細胞壁形成を阻害することで細菌の増殖を防ぎます。 セフィキシムは、様々な細菌性感染症に対して効果を発揮します。主な対象となる感染症には以下のようなものが...
セフトリアキソン
セフトリアキソンは、第三世代セファロスポリン系に分類される注射用抗生物質です。グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方に対して強い効果を示し、重症感染症の治療に用いられます。長時間作用型で、1日1回の投与で効果を維持できる特徴があります。 セフトリアキソンは、幅広い感染症に対して効果を発揮します。主な適応症...
セフォタキシムナトリウム
セフォタキシムナトリウムは、細菌感染症の治療に使われる抗生物質の一種です。この成分は、さまざまな種類の細菌に対して効果を発揮し、体内で起こっている感染と闘う助けとなります。 セフォタキシムナトリウムは、細菌の細胞壁を作るのを邪魔することで働きます。細胞壁は細菌にとって大切な部分で、これがないと細菌...