マクロライド系抗生物質
- マクロライド系抗生物質の特徴と使用法
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マクロライド系抗生物質は、細菌感染症の治療に広く使用される薬剤群です。
様々な細菌に対して効果を示し、その抗菌スペクトルの広さと比較的安全性の高さから、多くの感染症の治療に用いられています。マクロライド系抗生物質には、いくつかの種類があります。
主なものは以下の通りです。-
エリスロマイシン
最も古くから使用されているマクロライド系抗生物質です。
広い抗菌スペクトルを持ちますが、胃腸障害が比較的多いという特徴があります。 -
クラリスロマイシン
エリスロマイシンを改良した薬剤で、抗菌力が強く、体内での安定性も高いです。
胃腸障害の発生率が低いという特徴があります。 -
アジスロマイシン
長い半減期を持ち、組織への移行性が高いのが特徴です。
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- マクロライド系抗生物質の効果と適応症
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マクロライド系抗生物質は、主に以下のような細菌に対して効果を示します。
- 肺炎球菌
- インフルエンザ菌
- 百日咳菌
- 嫌気性菌
- マイコプラズマ
- クラミジア
- マイコバクテリウム
- マクロライド系抗生物質の使用方法
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マクロライド系抗生物質の使用方法は、薬剤や感染症の種類によって異なります。
一般的な使用方法は以下の通りです。-
経口投与
多くの場合、錠剤やカプセル、シロップ剤として経口投与されます。
1日1~3回の服用が一般的です。 -
点滴静注
重症感染症の場合や経口投与が困難な場合には、点滴静注で投与されることがあります。 -
外用薬
皮膚感染症に対しては、軟膏やクリームの形で使用されることもあります。
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- マクロライド系抗生物質使用時の注意点
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耐性菌の出現
薬の使用を間違えると、耐性菌が出現する可能性もあります。
医師の指示通りに服用するようにしましょう。 -
薬物相互作用
マクロライド系抗生物質は、他の薬剤の代謝に影響を与えることがあるので、飲み合わせに問題がないか確認しましょう。 -
副作用
主な副作用には、胃腸障害(吐き気、下痢など)、肝機能障害、アレルギー反応などがあります。
重大な副作用は稀ですが、異常を感じた場合は医師に相談が必要です。 -
QT延長
一部のマクロライド系抗生物質では、心電図上のQT間隔延長が報告されています。
心疾患のある患者では注意が必要です。 -
妊婦・授乳婦への投与
マクロライド系抗生物質は妊婦や授乳婦にも比較的安全に使用できますが、個別の判断が必要です。
マクロライド系抗生物質は、正しく使用することで多くの細菌感染症の治療に効果を発揮します。
症状が改善しても、処方された期間は服用を続けるようにしましょう。 -
マクロライド系抗生物質として使われる医薬品成分
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- クラリスロマイシン
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- アジスロマイシン
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