流涙症治療薬

流涙症とは?治療薬の具体例と効果

流涙症は、涙が過剰に分泌されたり、正常に排出されないことで目から涙があふれ出る症状です。
主な症状は、常に涙が目からあふれ出ること、視界がぼやけること、目の周りの皮膚が湿っていることなどです。

原因は多岐にわたり、主なものには以下があります。

  • 涙道の閉塞
  • 眼の表面の刺激(ドライアイや異物感)
  • アレルギー性結膜炎
  • 眼瞼(がんけん)の異常(内反症や外反症)
  • 神経系の問題(顔面神経麻痺など)

治療方法は原因に応じて決められます。

眼の表面が刺激されているのであれば、人工涙液や抗炎症薬の点眼薬で対応することもありますし、アレルギーが原因なら、抗アレルギー薬の点眼薬や内服薬が処方されることもあります。
他にも、原因によっては手術的治療が必要になることもありますし、原因疾患の治療を優先する場合もあります。

一般的に流涙症に使う薬には 、オキシブプロカイン塩酸塩というものがあります。
商品名にはラクリミン点眼液0.05%やベノキシール0.4%液があります。
成人では1~4滴を点眼します。

流涙症の診断方法

診断は、症状の詳細な問診と眼科での検査によって行われます。
主な検査方法には以下があります。

  • 通水検査
    涙の排水口である涙点が、鼻腔まで通っているかを調べる検査です。
    細い管を涙点に差し込んで生理食塩水を流し、鼻の奥を通り抜け喉まで流れれば正常です。

  • 生体染色検査
    フローレス染色液を点眼して涙の流れ具合を見る検査です。
    涙が涙点にきちんと流れるか確認します。

  • 涙道内視鏡検査
    内視鏡を使い、涙道をチェックする検査です。
    薬剤が詰まっていたり、炎症により膜が張っていないかチェックします。

流涙症の非薬物療法と手術

薬物療法と併せて、以下のような非薬物療法も効果的です。

  • 環境調整
    乾燥や強い風、刺激物などを避け、快適な環境を整えます。

  • 栄養補給
    ビタミンAやオメガ3脂肪酸など、目の健康に良い栄養素を十分に摂取します。

自己ケアで涙目が改善しない場合や、重症度、原因によっては、涙点プラグの挿入や涙腺の機能を抑える手術が行われることもあります。

流涙症は生活の質を左右する症状ですが、治療により多くの場合改善が可能です。
症状が持続する場合は、早めに眼科を受診しましょう。

薬の使用中に気になる症状がある場合や、効果が感じられない場合も、すぐに医師に相談しましょう。
また、定期的な眼科検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切な治療を受けることができます。