炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)
- 炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)の適応症
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炭酸脱水酵素阻害薬、略してCAIは、様々な病気の治療に使われる薬です。
主に緑内障に使われますが、他にも高山病、てんかんなどの治療に効果があります。
CAIは体内の炭酸脱水酵素という酵素の働きを抑えることで効果を発揮します。緑内障は目の中の圧力(眼圧)が高くなることで視神経が傷つき、視力が低下する病気です。
CAIは眼圧を下げる効果があるため、緑内障の治療に使われます。
目薬の形で処方され、定期的に使用することで眼圧を適切なレベルに保ちます。CAIを使用すると、視神経への負担が軽減されます。
緑内障の進行を遅らせたり、症状を改善したりする効果が期待できます。一方、高山病は標高の高い場所に急に登ったときに起こる症状の総称です。
頭痛やめまい、吐き気、息切れなどの症状が現れます。
CAIは高山病の予防や治療に効果があります。高山病は体内の酸素が不足することで起こります。
CAIは体内の二酸化炭素と水の反応を調整することで、血液中の酸素と二酸化炭素のバランスを整えます。
その結果、高山病の症状を和らげたり、予防したりする効果があります。
登山や高地旅行の前に予防的に服用したり、症状が出たときに治療薬として使用したりします。 - CAIの種類と使用方法
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CAIには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
主な種類には以下のようなものがあります。-
トルソプト
こちらはβ遮断薬との配合剤として、コソプト配合点眼液やコソプトミニ配合点眼液といった商品もあります。 -
エイゾプト
この薬にも、β遮断薬との配合剤であるアゾルガ配合懸濁性点眼液があります。 -
ダイアモックス
内服剤や注射剤の他、点眼薬があります。
てんかんなどの疾患に使用することもあります。
点眼薬には市販薬もあり、ドルゾラミド(トルソプト)とブリンゾラミドの2種類です。
使用方法は病気や薬の種類によって異なります。
緑内障の場合、点眼薬は1日2~3回、飲み薬は医師の指示に従って服用します。
高山病の予防には、通常、高地に到着する1~2日前から服用を始めます。
薬の効果は個人差があるため、適切な用量や使用頻度は医師と相談しながら決めていくことが大切です。
自己判断で用量を変えたり、急に使用を中止したりしないようにしましょう。 -
- CAIの副作用は軽い
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CAIは多くの場合、安全に使用できる薬ですが、患者によっては他の薬と同様に副作用の可能性があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。- 刺激感
- 異物感
- 結膜炎
これらの副作用の多くは軽度で一時的なものですが、気になる症状がある場合は医師に相談することが大切です。