金製剤(注射)
- 金製剤(注射)が持つ作用
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金製剤は、古くから関節リウマチの治療に使用されてきた薬剤です。
金という金属の化合物を主成分とし、注射によって投与されます。
現在では新しい薬剤の登場により使用頻度は減少していますが、一部の患者には依然として効果的な選択肢となっています。注射用の金製剤には、金チオグルコース(シオゾール)があります。
油性の金製剤で、筋肉内注射で投与されます。
効果の持続時間が長いのが特徴です。
昔はよく使用されていましたが、最近では新たに投与されることは少なくなっています。金製剤の正確な作用機序は完全には解明されていませんが、以下のような効果があると考えられています。
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抗炎症作用
関節の炎症を抑制し、痛みや腫れを軽減します。 -
免疫調節作用
過剰な免疫反応を抑える働きがあり、自己免疫疾患の症状を改善します。 -
疾患修飾作用
関節リウマチの進行を遅らせる効果があります。 -
骨破壊抑制作用
関節の骨破壊を抑制し、関節の変形を予防します。
これらの効果により、金製剤は関節リウマチの症状改善や進行を抑制するのです。
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- 現在使われている主な主な抗リウマチ薬
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金製剤の注射は今ではあまり使われなくなりましたが、変わりに以下のような薬がリウマチに使われます。
- メトトレキサート(リウマトレックス)
- ブシラミン(リマチル)
- サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN
- タクロリムス(プログラフ)
- イグラチモド(ケアラム)
上記の薬が効いてくるまでには時間がかかり、通常は2~3か月程度様子を見ます。
効果と副作用には個人差が大きいことが特徴であるため、その患者に合っているかどうかは、服用してみなければわかりません。 - 金製剤の利点
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金製剤には、以下のような利点があります。
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長期的な効果
適切に使用すれば、長期間にわたって症状の改善効果が持続することがあります。 -
長年の使用実績
長い使用歴があるため、長期的な安全性プロファイルがよく知られています。 -
他の薬剤との併用
他の抗リウマチ薬と併用することで、より高い効果が得られる場合があります。
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- 金製剤使用時の注意点
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金製剤を使用する際は、以下の点に注意が必要です。
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皮膚症状
皮膚炎や発疹などの皮膚症状が現れることがあります。 -
腎機能への影響
腎機能に影響を与える可能性があるため、腎臓が悪い方は定期的な検査が必要です。 -
遅発性の副作用
投与を中止した後でも副作用が現れることがあるため、注意深い経過観察が必要です。
金製剤は、これらの副作用に注意しながら、定期的な検査と慎重な経過観察のもとで使用します。
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