甲状腺ホルモン
- 甲状腺ホルモンの役割とは?
-
甲状腺ホルモンは、体の代謝を調節する重要なホルモンです。
甲状腺から分泌され、体のさまざまな機能に影響を与えます。主な甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種類があり、以下のような役割を担っています。
- 体の代謝を調節する
- 心臓の拍動数や血圧に影響を与える
- 体温を調節する
- 成長と発達を促進する
- 脳の機能に関与する
- 甲状腺機能異常によって起きる症状
-
甲状腺ホルモンの分泌に問題が生じると、以下のような状態になることがあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態です。
主な症状には以下のようなものがあります。- 動悸や頻脈
- 体重減少
- 暑がり、多汗
- 手のふるえ
- 神経質になる、イライラする
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が不足している状態です。
主な症状には以下のようなものがあります。- 疲れやすい、だるさ
- 寒がり
- 体重増加
- 便秘
- 皮膚の乾燥
- 記憶力の低下
- 甲状腺ホルモン製剤
-
甲状腺機能低下症の治療には、甲状腺ホルモン製剤が使用されます。
主な製剤には以下の薬があります。- レボチロキシンナトリウム(チラーヂンS)
- リオチロニンナトリウム(チロナミン)
レボチロキシンナトリウムは合成T4製剤、リオチロニンナトリウムは合成T3製剤と呼ばれます。
- 副作用と日常でできる甲状腺ホルモン異常に対する対策
-
甲状腺ホルモン製剤の主な副作用には以下のようなものがあります。
- 動悸や頻脈
- 不整脈
- 発汗
- 体重減少
- 下痢
これらの症状は、多くの場合、用量が多すぎることが原因です。
症状が現れた場合は医師に相談し、用量の調整を行う必要があります。心臓病がある人は甲状腺ホルモンは心臓に負担をかける可能性があるため、慎重に使用する必要があります。
高齢者も副作用が出やすいため、低用量から開始し、慎重に増量します。
妊婦は、胎児の発達に影響を与える可能性があるため、適切な用量管理が必要になります。甲状腺機能を維持するためには、ヨウ素、セレン、亜鉛などの栄養素を積極的に摂りましょう。
代謝を活性化し、甲状腺機能をサポートする適度な運動もおすすめです。
また、過度のストレスは甲状腺機能に悪影響を与える可能性があるため、ストレス発散方法を探すのも良いでしょう。
他に、十分な睡眠を取り、甲状腺ホルモンの分泌リズムを整えることも大切です。甲状腺ホルモンは体の代謝を調節する重要なホルモンです。
甲状腺機能に異常がある場合は、適切な診断と治療が必要です。
定期的な検査と医師との相談を行いながら、自分の体調の変化に注意を払いましょう。