グリニド系薬

グリニド系薬の種類と特徴

グリニド系薬は、糖尿病の治療に用いられる薬です。
主に食後の急激な血糖上昇を抑える効果があり、速効性インスリン分泌促進薬とも呼ばれています。
グリニド系薬は、食事の直前に服用することで、食後の血糖コントロールを改善します。

グリニド系薬は、膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促進します。
特徴は、作用が速やかに現れ、また比較的短時間で消失することです。
そのため、食後の血糖上昇を効果的に抑えつつ、低血糖のリスクを軽減できる利点があります。

日本で使用されているグリニド系薬には、主に以下があります。

  • ナテグリニド(ファスティック、スターシス)
  • ミチグリニドカルシウム水和物(グルファスト)
  • レパグリニド(シュアポスト)

ナテグリニド(ファスティック、スターシス)は、症状に合わせて服用量を変えていけます。
1回分の最小量は30mgですが、最大で1回120mgまで増やせます。

ミチグリニドカルシウム水和物(グルファスト)には、 α-グルコシダーゼ阻害薬との配合剤、グルベス配合錠があります。

レパグリニド(シュアポスト)は、食後血糖値の改善だけでなく、HbA1c(糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかを表したもの)などの改善もできるとされています。

これらの薬剤は、患者の状態や生活スタイル、血糖コントロールの目標に応じて選択されます。

低血糖に注意

グリニド系薬にも他の糖尿病治療薬と同様に、いくつか副作用や注意点があります。

  • 低血糖
    主な副作用の一つですが、スルホニル尿素薬と比べてリスクは低いとされています。
    症状:冷や汗、動悸、手の震え、空腹感、めまいなど。
    対策:軽症の場合はブドウ糖や砂糖を摂取。
    重症の場合は医療機関を受診。

  • 肝機能障害
    まれに肝機能に影響を与えることがあります。
    気になる症状がある場合は、肝機能検査を受けましょう。

  • 体重増加
    インスリン分泌促進により、わずかに体重が増加することがあります。

グリニド系薬の使用上の注意

グリニド系薬を安全かつ効果的に使用するためには、以下のような点に注意が必要です。

  • 規則正しい服用
    食直前(薬剤により5分前または30分以内)に服用することが重要です。

  • 食事との関係
    食事を抜いた場合は、その分の薬も飲まないようにします。

  • 他の薬剤との相互作用
    他の薬剤と併用する場合は、医師や薬剤師に相談してください。

  • 妊娠・授乳期の使用
    妊娠中や授乳中の使用については、医師と相談の上で慎重に判断する必要があります。

これらの注意点を守ることで、グリニド系薬をより安全に、そして効果的に使用することができます。