フィブラート系
- フィブラート系薬剤の種類
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フィブラート系薬剤は、主に高トリグリセリド血症の治療に使用される薬です。
中性脂肪(トリグリセリド)を効果的に低下させる作用があり、同時にHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させる効果があります。
心臓病や脳卒中のリスク低減に役立つため、脂質異常症の治療において重要な選択肢の一つとなっています。日本で使用されている主なフィブラート系薬剤には以下があります。
- ベザトール(ベザフィブラート)
- リピディル(フェノフィブラート)
個々の状況に応じてどちらが良いか決められます。
- 肝障害の副作用に注意
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リピディル錠(フェノフィブラート)の副作用には、以下が報告されています。
- 横紋筋融解症
- 肝障害
- 膵炎
- 発疹
- 頭痛
- めまい
フィブラート系薬剤の服用で注意しなければならないのは肝障害です。
この副作用は25%以上に起こるというデータがあるため、投与開始から3カ月は、毎月定期的に肝機能検査を行うことが推奨されています。
肝障害患者は投与禁忌です。 - フィフィブラート系薬剤の特徴と生活習慣の改善との組み合わせブラート系薬剤の特徴
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この薬剤には以下のような特徴があります。
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中性脂肪低下作用が強い
特に高トリグリセリド血症に効果的 -
HDLコレステロール上昇効果
動脈硬化予防ができる -
抗炎症作用
血管壁の炎症を抑制し、動脈硬化進展を抑える可能性
上記の特徴を活かすためにも、以下のような生活習慣の改善が重要です。
- 糖質や脂質の過剰摂取を控える
- アルコール摂取を制限する
- 規則的な運動を行う
- 適正体重の維持
- 禁煙
より効果的な脂質管理を行うには、基盤となる生活習慣を改善する必要があります。
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- フィブラート系薬剤の使用状況と長期使用
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フィブラート系薬剤は、以下のような状況で特に有効です。
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高トリグリセリド血症
トリグリセリド値が高い場合、急性膵炎予防のために使用 -
複合型脂質異常症
トリグリセリド高値とHDLコレステロール低値が併存する場合 -
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満に伴う脂質異常症の改善に効果的 -
スタチン不耐性
スタチンが使用できない場合の代替療法として -
糖尿病に伴う脂質異常症
インスリン感受性改善効果も期待できる
フィブラート系薬剤を長期間使用する場合、以下の点に注意が必要です。
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定期的な検査
肝機能、腎機能、筋酵素(CK)の定期的なチェック -
胆石形成リスク
特に胆石の既往がある場合は注意が必要 -
薬剤の見直し
効果や副作用を定期的に評価し、必要に応じて用量調整や薬剤変更を検討 -
他の薬剤との相互作用
新たに処方される薬との相互作用に注意 -
生活習慣の継続的改善
薬剤効果を維持・増強するための生活習慣改善を継続
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