多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)

多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)の種類とその特徴

多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)は、第二世代の抗精神病薬に分類される薬剤群です。
これらの薬は、複数の神経伝達物質系に同時に作用することで、統合失調症をはじめとする様々な精神疾患の症状改善に効果を示します。
2000年代に入ってから発売された新しい薬で、日本では以下の3つの薬が使われています。

  • セロクエル(クエチアピン)
  • ジプレキサ(オランザピン)
  • シクレスト(アセナピン)

MARTAの主な特徴は、ドパミン受容体だけでなく、セロトニン受容体、ヒスタミン受容体、ドパミン受容体など、多くの受容体に作用することです。

また、MARTAは気分障害、特に双極性障害の躁状態やうつ状態の治療にも使用されることがあります。
一部のMARTAは、不安障害や睡眠障害にも効果があることが報告されています。

MARTAの多くは長期的な使用が必要となるため、定期的な診察と検査を行います。
特に、代謝パラメータ(体重、血糖値、脂質プロファイルなど)の定期的なチェックが重要です。
これらの値に異常が見られた場合は、生活習慣の改善や他の薬剤への変更を検討することがあります。

また、MARTAは他の薬同様に、他の治療法と組み合わせることも多いです。
必要に応じて、心理療法や認知行動療法などの非薬物療法と併用していきます。

MARTAの副作用

MARTAの副作用には以下のようなものがあります。

  • 眠気やだるさ
  • 体重増加
  • 口の渇き
  • 便秘
  • 脂質代謝異常
  • 血糖上昇

MARTAは、従来の抗精神病薬と比較して錐体外路症状(手足のこわばりや震えなど)のリスクが低いのが特徴です。
しかし、代わりに代謝系への影響が課題となっています。
特に、体重増加、血糖値の上昇、脂質異常症などのリスクがあるため、定期的な健康チェックが重要です。

MARTAと生活の質の向上

MARTAの適切な使用は、多くの人の生活の質を向上させる可能性があります。
症状の改善により、日常生活や社会生活がスムーズになることが期待できます。

日常生活の中では、特に体重管理には注意が必要です。
MARTAによる体重増加のリスクを軽減するために、バランスの取れた食事と定期的な運動を心がけましょう。
栄養士や運動指導者のアドバイスを受けることもおすすめです。

また、ストレス解消法も見つけておくと良いでしょう。
ストレスは症状を悪化させる可能性があるため、自分に合ったストレス解消法を見つけることが役立ちます。

多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)として使われる医薬品成分

オランザピン
オランザピンは、統合失調症や双極性障害(躁うつ病)の治療に使用される非定型抗精神病薬です。脳内の複数の神経伝達物質の働きを調整することで、精神症状の安定化を図ります。 オランザピンは、以下のような症状の改善が期待されています。 統合失調症* 幻覚、妄想、思考障害などの症状を軽減します。 双極性障...