ブチロフェノン系
- ブチロフェノン系薬剤の具体例
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ブチロフェノン系薬剤は、フェノチアジン系と同じく第一世代抗精神病薬に分類される薬です。
主に統合失調症の治療に用いられますが、躁病などにも使用されます。
現在、日本で使われているブチロフェノン系薬剤はこちらです。- ハロペリドール内服(セレネース、ハロペリドール)
- ハロペリドール注射(ハロマンス、ネオペリドール)
- ブロムペリドール(インプロメン、ブロムペリドール)
- ピパンペロン(プロピタン)
- スピペロン(スピロピタン)
- チミペロン(トロペロン)
これらの薬剤は、脳内の神経伝達物質、特にドーパミンの作用を調整することで効果を発揮します。
統合失調症の症状管理に有効です。これらの薬剤は、経口薬だけでなく、注射剤としても使用可能です。
特に、急性期の治療や、経口摂取が困難な場合に注射剤が用いられることがあります。 - ブチロフェノン系薬剤の使用と副作用
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ブチロフェノン系薬剤の副作用には以下のようなものがあります。
患者によって副作用の現れ方が異なるので、気になる点があれば医師に相談してください。- 錐体外路症状
- 眠気やだるさ
- 口の渇き
- 便秘
他の第一世代抗精神病薬であるフェノチアジン系と同じく、錐体外路症状が現れやすい特徴があります。
これには、パーキンソン病に似た症状(手足のこわばり、歩行障害、手の震えなど)や、アカシジア(落ち着きのなさ)などが含まれます。
- ブチロフェノン系薬剤と注意点
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ブチロフェノン系薬剤の服薬中は、規則正しい生活リズムを維持することを心がけましょう。
生きる上での基本である食事や睡眠を規則正しくし、生活を見直してみてください。また、アルコールとの相互作用には注意が必要です。
ブチロフェノン系薬剤とアルコールを併用すると、眠気や集中力低下などの副作用が強く出る可能性があります。
また、アルコールは薬の効果を妨げる可能性もあるため、できるだけ控えるべきです。 - 妊婦の使用と患者別の対応
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妊娠や授乳中のブチロフェノン系薬剤の使用には特別な注意が必要です。
これらの薬の中には胎児や乳児に影響を与える可能性があるものもあるため、妊娠を希望する場合や妊娠が判明した場合は、すぐに医師に相談しましょう。どのブチロフェノン系薬剤を使うのか、どれくらいの用量を服用するのかは、患者によって異なります。
同じ診断名でも、個々人で症状の現れ方や薬への反応が異なるため、それぞれの状況に合わせた最適な治療法を見つけていかなければならないからです。
合う薬と出会うまでには時間がかかることがありますが、根気強く取り組むことが大切です。