フェノチアジン系

フェノチアジン系薬剤の具体例と適応症

フェノチアジン系薬剤は、抗精神病薬の一種で、幻覚や妄想、興奮といった症状を改善するために使用されます。
対象疾患は多岐にわたり、以下の疾患に処方されることがあります。

  • 統合失調症
  • 躁病
  • 神経症
  • うつ病
  • 破傷風
  • メニエール症候群

上記疾患における不安や緊張、抑うつ悪心* 嘔吐、痙攣の改善ができます。
また、催眠や鎮静、鎮痛薬の効き目を上げる効果もあります。

日本で使われているフェノチアジン系薬剤は以下の通りです。

  • クロルプロマジン(コントミン、ウインタミン、クロルプロマジン塩酸塩)
  • レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン、レボメプロマジン)
  • ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリラホン)
  • フルフェナジン内服(フルメジン糖衣錠)
  • フルフェナジン注射(フルデカシン筋注)
  • プロクロルペラジン(ノバミン)
  • プロペリシアジン(ニューレプチル)
フェノチアジン系薬剤の使用と副作用

フェノチアジン系薬剤の使用において、副作用には注意が必要です。
フェノチアジン系薬剤に共通する副作用には以下のようなものがあります。

  • 錐体外路症状
  • 眠気やだるさ
  • 口の渇き
  • 鼻閉
  • 便秘
  • 体重増加
  • 光線過敏症(日光に対する皮膚の過敏反応)

錐体外路症状と呼ばれる運動に関する副作用は、患者の40%で見られます。
これには、パーキンソン病に似た症状(手足のこわばり、歩行障害、手の震えなど)や、アカシジア(落ち着きのなさや静座不能)、ジストニア(筋肉の不随意収縮)などが含まれます。

フェノチアジン系薬剤服用中の心構え

服薬中は、規則正しい生活リズムを維持することが大切です。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、薬の効果を補完していきましょう。

日光にも注意が必要です。
フェノチアジン系薬剤には光線過敏症を引き起こす可能性があるため、日焼け止めの使用や日陰の利用など、適切な日光対策をしておくと安心です。

運転や機械操作などの危険を伴う作業は、薬の影響で眠気が生じる可能性があるため、慎重に行う必要があります。
特に服用開始時や増量時は注意が必要です。

フェノチアジン系薬剤の多くは長期的な使用が必要となります。
症状が安定しても、自己判断で服用を中止すると再発のリスクが高まります。
服用の中止や変更が必要な場合は、必ず医師と相談の上で慎重に行いましょう。

定期的な診察と検査も重要です。
症状の変化、副作用の有無、生活上の問題点などを医師に報告し、必要に応じて治療計画の見直しを行います。

フェノチアジン系として使われる医薬品成分

クロルプロマジン
クロルプロマジンは、統合失調症やその他の精神疾患の治療に使用される向精神薬です。1950年代に開発された最初の抗精神病薬の一つで、精神医学の歴史に大きな影響を与えました。現在でも、その効果と安全性から広く使用されています。 クロルプロマジンは主に以下のような症状の改善に効果があります。 幻覚:見えな...