非中枢神経刺激薬

非中枢神経刺激薬として使われる薬

非中枢神経刺激薬は、中枢神経刺激薬とは異なるメカニズムで作用する薬です。
主に注意欠如・多動性障害(ADHD)の治療に使用されますが、他の精神疾患の治療にも応用されることがあります。
これらの薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで効果を発揮します。

日本で使われる非中枢神経刺激薬は、以下の5つです。

  • メチルフェニデート(コンサータ)
  • リスデキサンフェタミン(ビバンセ)
  • アトモキセチン(ストラテラ)
  • グアンファシン(インチュニブ)
  • リスデキサンフェタミン(ビバンセ)※小児のみ

これらの薬は、主にノルアドレナリンの再取り込みを阻害したり、アドレナリン受容体に作用したりすることで、ADHD症状を改善していきます。

効果と薬の切り替えや併用

通常、1日1回の服用で12時間の効果が表れるものや、1回または2回の服用で、24時間を通じて効果が持続する薬があります。

非中枢神経刺激薬は、メチルフェニデート(コンサータ)あるいはアトモキセチン(ストラテラ)の単剤から開始することが多いです。
それでも効果が十分に得られない場合は、他の薬に変えたり、併用することがあります。

非中枢神経刺激薬の副作用

非中枢神経刺激薬にも副作用があります。
一般的な副作用には以下のようなものがあります。

  • 眠気
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 口の渇き
  • めまい
  • 便秘

これらの副作用の多くは、服用開始時や増量時に現れやすく、時間とともに軽減することが多いです。
また、上記5つの薬によっても副作用の出方は多少異なります。

非中枢神経刺激薬の注意点

非中枢神経刺激薬の多くは長期的な使用が想定されています。
効果の持続性や副作用の有無、生活への影響などを定期的に観察することが重要です。
効果が現れるまでに2~4週間かかる薬もあるので、それまでの間の健康観察も大事です。

特に、成長期の子どもが使用する場合は、身長や体重の変化を注意深く観察する必要があります。
非中枢神経刺激薬は中枢神経刺激薬に比べて成長への影響は少ないとされていますが、個人差があるため、定期的なチェックが欠かせません。

また、妊娠や授乳中の使用には特別な注意が必要です。
非中枢神経刺激薬の胎児や乳児への影響については十分なデータがないため、妊娠を希望する場合や妊娠が判明した場合は、必ず医師に相談してください。

非中枢神経刺激薬の使用は、薬物療法だけでなく、心理社会的支援や環境調整などを含む治療を考えましょう。
特にADHDの場合、薬物療法と並行して、行動療法や認知行動療法などの非薬物療法を組み合わせることで、症状改善につながります。