抗精神病薬
- 抗精神病薬の種類とは?
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抗精神病薬は、統合失調症などの精神疾患の治療に用いられる薬です。
幻覚や妄想といった症状を改善する効果があります。
抗精神病薬は大きく分けて、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の2種類があります。定型抗精神病薬はさらに3つの系統に分かれ、以下のような薬があります。
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ブチロフェノン系
セレネース
インプロメン
トロぺノンなど -
フェノチアジン系
コントミン
レボトミン
フルメジン
PZCなど -
ベンズアミド系
ドグマチール
バルネチールなど
非定型抗精神病薬は4つに分類され、それぞれの薬があります。
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SDA
リスパダール(リスペリドン)
インヴェガ(パリペリドン)
ロナセン(ブロナンセリン)など -
MARTA
ジプレキサ(オランザピン)
セロクエル(クエチアピン)など -
DSS
エビリファイ(アリピプラゾール) -
SDAM
レキサルティ(ブレクスピプラゾール)
これらの薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで効果を発揮します。
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- 抗精神病薬の副作用
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抗精神病薬の使用には慎重な管理が必要で、副作用には特に注意が必要です。
一般的な副作用には以下のようなものがあります。- 眠気やだるさ
- 口の渇き
- 便秘
- 体重増加
- めまい
- 性機能障害
長期使用に伴う代謝系への影響も懸念されます。
体重増加、血糖値の上昇、脂質異常症などのリスクがあるため、定期的な健康チェックが重要です。 - 抗精神病薬と生活の質
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精神病は、薬物療法だけでなく、心理社会的支援や環境調整などを含む総合的なアプローチにも効果があるとされています。
服薬中は、規則正しい生活リズムを維持しましょう。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、薬の効果を補完し、全体的な健康状態の改善につながります。また、アルコールとの相互作用に注意が必要です。
薬の効果を妨げたり、予期せぬ副作用を引き起こしたりする可能性があるため、避けるべきです。 - 抗精神病薬の長期使用と管理
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抗精神病薬の多くは長期的な使用が必要となります。
症状が安定しても、自己判断で服用を中止すると再発のリスクが高まるため、服用の中止や変更が必要な場合は、必ず医師と相談の上で慎重に行う必要があります。定期的な診察も欠かせません。
症状の変化、副作用の有無、生活上の問題点などを医師に報告し、必要に応じて治療計画の見直しを行います。
血液検査や心電図検査などを通じて、薬の影響を監視することも大切です。抗精神病薬の選択と用量調整は個別化が重要です。
同じ診断名でも、個々人で症状の現れ方や薬への反応が異なるため、それぞれの状況に合わせた最適な治療法を見つけていく必要があります。
抗精神病薬として使われる医薬品成分
- オランザピン
- オランザピンは、統合失調症や双極性障害(躁うつ病)の治療に使用される非定型抗精神病薬です。脳内の複数の神経伝達物質の働きを調整することで、精神症状の安定化を図ります。 オランザピンは、以下のような症状の改善が期待されています。 統合失調症* 幻覚、妄想、思考障害などの症状を軽減します。 双極性障...
- リスペリドン
- リスペリドンは、統合失調症や双極性障害の躁状態、自閉スペクトラム症に伴う興奮や攻撃性の治療に用いられる抗精神病薬です。脳内の神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、幻覚や妄想などの症状を和らげます。 リスペリドンは、統合失調症の陽性症状と陰性症状の両方に効果を示します。陽性症状には幻覚や妄想が含...
- アリピプラゾール
- アリピプラゾールは、新世代の抗精神病薬として知られる薬剤です。統合失調症や双極性障害、うつ病の補助療法など、さまざまな精神疾患の治療に用いられます。他の抗精神病薬とは異なるユニークな作用機序を持ち、脳内の神経伝達物質のバランスを整える働きがあります。 アリピプラゾールは、統合失調症の陽性症状と陰性...