気分安定薬
- 気分安定薬の基本と種類
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気分安定薬は、主に双極性障害(躁うつ病)の治療に用いられる薬です。
この薬は、気分の大きな波を抑え、安定した状態を保つのに役立ちます。日本で処方される気分安定薬には以下があります。
- 炭酸リチウム
- カルバマゼピン
- バルプロ酸ナトリウム
- ラモトリギン
これらの薬は、躁状態やうつ状態の予防や症状の軽減に効果があります。
特に、気分の波が激しい場合や、躁状態とうつ状態を繰り返す場合に有効です。
気分安定薬は長期的に使用されることが多く、症状が安定した後も再発予防のために継続して服用することが一般的です。双極性障害には、上記のような気分安定薬の他に、非定型抗精神病薬と呼ばれるものや、抗てんかん薬、ベンゾジアゼピン系薬物、非定型抗精神病薬、カルシウムチャンネル遮断薬も、気分安定薬として処方されることがあります。
- 漢方薬が処方されることもある
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気分安定薬の他、症状に応じて以下のような漢方薬を処方している病院もあります。
- 酸棗仁湯
- 加味逍遙散
- 抑肝散
- 半夏厚朴湯
これらの漢方薬は不眠・不安に効果があります。
- 気分安定薬の使用と注意点
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気分安定薬を使用する際は、いくつかの注意点があります。
まず、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
すぐに効果を感じられなくても、勝手に服用を中止せず、医師の指示に従うことが大切です。また、以下の副作用には注意が必要です。
- 吐き気
- めまい
- 眠気
- 手の震え
- 生活習慣と気分安定薬
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気分安定薬の効果をより発揮させるためには、規則正しい生活習慣を心がけることも大切です。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、薬の効果を補完し、全体的な気分の安定につながります。ストレス管理も大切です。
ストレスは双極性障害の症状を悪化させる可能性があるため、自分に合ったストレス解消法を見つけることが役立ちます。
瞑想やヨガ、趣味の活動など、リラックスできる方法を日常生活に取り入れると良いでしょう。また、気分の変化や症状を自己観察し、記録することも有効です。
気分日記をつけることで、薬の効果や副作用、生活習慣との関連性などを把握しやすくなります。
医師との相談時に役立ち、より適切な治療方針が決められるのがメリットです。水分摂取と塩分摂取にも注意が必要です。
特にリチウムを服用している場合、体内の水分バランスが重要になります。
極端な脱水や過度の発汗は避け、適度な水分補給を心がけましょう。
同様に、塩分摂取量を急激に変えることも避けるべきです。
気分安定薬として使われる医薬品成分
- ラモトリギン
- ラモトリギンは、てんかんや双極性障害の治療に使われる薬の成分です。脳内の神経細胞の活動を調整する働きがあり、発作や気分の変動を抑える効果があります。 ラモトリギンは、さまざまな種類のてんかん発作に対して効果を発揮します。部分発作や全般発作、そして特に欠神発作に効果があることがわかっています。 こ...
- カルバマゼピン
- カルバマゼピンは、てんかんや三叉神経痛の治療に広く使われる薬の成分です。また、双極性障害の躁状態の治療にも用いられることがあります。脳内の神経細胞の過剰な興奮を抑える働きがあり、発作や痛みの軽減に効果を示します。 カルバマゼピンは、てんかんの特に部分発作と全般性強直間代発作に対して高い効果を発揮し...
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