スルピリド
- スルピリドは何の薬?
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スルピリドは、抗精神病薬の一種で、様々な精神神経症状の治療に使用されます。
主にうつ病や不安障害、また統合失調症などの治療に効果がありますが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療薬として承認されてもいます。
胃酸が原因の胃症状には効果がありませんが、胃もたれや食欲不振などに処方されることがあります。
日本では比較的よく処方される薬剤の一つです。特に意欲の低下や無気力感の改善に役立ちます。
また、不安症状や緊張感の軽減にも効果があります。
統合失調症に対しては、幻覚や妄想などの陽性症状を和らげる効果があります。スルピリドは通常、錠剤やカプセル、液剤の形で処方されます。
服用量や頻度は症状の種類や重症度によって異なりますが、一般的に1日1~3回に分けて服用します。すぐに効果が感じられなくても、医師の指示通りに服用を続けることが重要です。
- 副作用と注意点
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スルピリドにも他の薬と同様に副作用があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。- 眠気やだるさ
- 口の渇き
- 便秘
- めまい
- 体重増加
- 女性での乳汁分泌や月経不順
これらの副作用の多くは軽度で、時間とともに改善することがあります。
しかし、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。特に注意が必要なのは、錐体外路症状と呼ばれる運動に関する副作用です。
手足のこわばり、歩行障害、手の震えなどが現れることがあります。
これらの症状が出た場合は速やかに医師に報告する必要があります。また、高齢者では転倒のリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。
- スルピリドと日常生活での注意
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スルピリドを服用している間は、日常生活でいくつかの点に注意が必要です。
運転や機械操作などの危険を伴う作業は、薬の影響で眠気やめまいが生じる可能性があるため、慎重に行う必要があります。
特に服用開始時や増量時は注意が必要です。暑い環境下では体温調節機能が低下する可能性があるため、熱中症に注意が必要です。
十分な水分補給と涼しい環境の確保を心がけましょう。規則正しい生活リズムを保つことも重要です。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、薬の効果を最大限に引き出し、症状の安定につながります。女性の場合、ホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、月経の変化や乳汁分泌などの症状に注意が必要です。
胸が張る場合も、スルピリドの副作用かもしれません。
妊娠を希望する場合や妊娠が判明した場合は、必ず医師に相談してください。スルピリドの服用を中止する際は、徐々に減量していく必要があります。
突然の中止は症状の再燃や離脱症状を引き起こす可能性があるためです。
減量や中止の判断は必ず医師と相談の上で行ってください。
症状が安定していても自己判断で服用をやめるのは危険です。