SSRI

SSRIは抗うつ薬の一種

SSRIとは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」の略称で、現在うつ病治療の中心的な薬として広く使われています。
この薬は脳内の神経伝達物質であるセロトニンの働きを調整することで、うつ病の症状を改善する効果があります。

SSRIの種類と特徴

現在、日本で使用されている主なSSRIには以下のようなものがあります。

  • フルボキサミン(ルボックス・デプロメール)
  • パロキセチン(パキシル)
  • セルトラリン(ジェイゾロフト)
  • エスシタロプラム(レクサプロ)

これらの薬は同じSSRIですが、それぞれ少しずつ特徴が異なります。

SSRIの効果

SSRIは主にうつ病の症状を改善する効果がありますが、具体的には以下のような効果が期待できます。

  • 気分の落ち込みの改善
  • 意欲の向上
  • 睡眠障害の改善
  • 食欲不振の改善
  • 不安感の軽減
  • 集中力の回復

ただし、SSRIの効果が安定するまでには通常3~4週間以上程度かかります。
すぐに効果が現れないからといって、勝手に服用を中止したり量を変えたりすることは危険です。
必ず医師の指示に従って服用してください。

SSRIの副作用

SSRIは比較的安全性の高い薬ですが、他の薬と同様に副作用がある場合があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 眠気
  • めまい
  • 頭痛

これらの副作用の多くは薬の飲み始めに多く、服用開始後2~3週間程度で軽減することが多いですが、気になる症状がある場合は必ず医師に相談しましょう。

また、他の薬との相互作用や、急な中断には注意しましょう。
SSRIを突然中止すると、離脱症状が現れる可能性があります。
必ず医師の指示に従って徐々に減量していきましょう。

高齢者や若年者では、SSRIの効果や副作用が通常と異なる場合があるため、より慎重に使用していきます。

SSRIと生活習慣の改善

SSRIによる薬物療法は、うつ病治療の重要な柱ですが、それだけでなく生活習慣の改善も大切です。
以下のような取り組みを併せて行うことで、より効果的な治療が期待できます。

  • 規則正しい生活リズムを保つ
  • 適度な運動を心がける
  • バランスの取れた食事を摂る
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレス解消法を見つける
  • 趣味や楽しみを持つ

これらの生活習慣の改善は、SSRIの効果を高めるだけでなく、うつ病の再発予防にも役立ちます。

SSRIの使用期間は個人差が大きく、症状の程度や経過によって異なります。
長期間の服用が必要な場合もあれば、比較的短期間で終了できる場合もあります。
使用期間については、医師と相談しながら、個々の状況に応じて決めることが大切です。

SSRIとして使われる医薬品成分

パロキセチン
パロキセチンは、うつ病や不安障害の治療に使用される抗うつ薬の一種です。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)に分類され、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで効果を発揮します。 パロキセチンは脳内のセロトニンという神経伝達物質の再取り込みを阻害し、神経細胞間の隙間(シナプス間隙)にセロトニンを...
エスシタロプラム
エスシタロプラムは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の中でも最も新しい世代に属する抗うつ薬です。その特徴的な分子構造により、高い効果と少ない副作用を両立させています。 エスシタロプラムは、以下の症状に効果を示します。 うつ病* 気分の落ち込みや興味・喜びの喪失などの症状を改善します。 全...
フルオキセチン
フルオキセチンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる薬です。その登場は精神医療に革命をもたらしていますが、日本では厚生労働省未承認の処方箋医薬品です。 フルオキセチンの特徴的な点は、その長い半減期です。体内での代謝に時間がかかるため、効果が長く持続します。そのため、服薬を忘れた際のリ...
セルトラリン
セルトラリンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の一種で、うつ病や不安障害の治療に幅広く使用されています。適応症は以下の通りです。 うつ病* 気分の落ち込みや意欲の低下を改善します。 パニック障害* 突然の不安発作を軽減し、その頻度を減らします。 外傷後ストレス障害(PTSD)* トラウマ体験...
フルボキサミンマレイン酸塩
フルボキサミンマレイン酸塩は、うつ病や不安障害の治療に使われる薬の有効成分です。この成分は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの働きを調整することで、気分を改善する効果があります。 フルボキサミンマレイン酸塩は、主に以下の症状の改善に効果を発揮します。 うつ病* 気分の落ち込み、意欲の低下、睡眠...
ベンラファキシン
ベンラファキシンは、1993年ににアメリカで発売されたうつ病や不安障害の治療に用いられる抗うつ薬の一種です。脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。セロトニンとノルアドレナリンは、気分や感情の調整に関与しているため、これらの物質のバランスを整える...