安定剤(メジャートランキライザー)
- 安定剤(メジャートランキライザー)の概要とその具体例
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安定剤、医学用語ではメジャートランキライザーと呼ばれる薬は、精神科で広く使用される薬剤の一つです。
抗精神病薬とも呼ばれ、マイナートランキライザーでは取り除けない不安に対応します。
主に統合失調症やアルコール依存症などの精神疾患の治療に用いられます。
安定剤という名前の通り、この薬は心を落ち着かせ、精神状態を安定させる効果があります。安定剤の主な効果は、幻覚や妄想といった統合失調症の陽性症状を和らげることです。
例えば、実際にはない声が聞こえる(幻聴)や、根拠のない被害妄想などの症状を軽減します。安定剤には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
代表的なメジャートランキライザーには、以下があります。- ヒルナミン
- レボトミン
- エビリファイ
- リスパダール
- ルーラン
- 安定剤の副作用と対処法
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安定剤は効果的な治療薬である一方で、副作用が報告されています。
ただし、副作用の種類や程度は個人差が大きく、また使用する薬剤によっても異なります。
ここでは、比較的よく見られる副作用とその対処法について説明します。-
眠気・だるさ
安定剤の多くは、服用すると眠くなったり、だるさを感じたりすることがあります。
これは薬の鎮静作用によるものです。 -
対処法
・就寝前に服用する
・日中の活動量を増やす
・医師と相談し、用量や服用時間を調整する -
体重増加
一部の安定剤では、食欲が増加したり、代謝が変化したりすることで、体重が増える場合があります。 -
対処法
・バランスの取れた食事を心がける
・適度な運動を行う
・栄養士に相談し、食事指導を受ける -
口の渇き
安定剤の副作用として、唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥することがあります。 -
対処法
・こまめに水分を取る
・シュガーレスガムを噛む
・保湿効果のある口腔ケア製品を使用する -
ふらつき・めまい
特に服用初期や用量を増やした時に、ふらつきやめまいを感じることがあります。 -
対処法
・急に立ち上がらないよう注意する
・十分な休息を取る
・医師に相談し、用量調整を検討する
これらの副作用が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談することが大切です。
症状に応じて、用量の調整や薬の変更を検討できます。 -
- 安定剤の適切な使用方法
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安定剤を効果的かつ安全に使用するためには、いくつかの注意点があります。
ここでは、安定剤を適切に使用するためのポイントをまとめます。-
医師の指示を守る
安定剤は処方箋が必要な薬です。
必ず医師の指示通りに服用しましょう。
用量や服用回数、服用時間など、自己判断で変更しないことが重要です。 -
規則正しく服用する
決められた時間に規則正しく服用することで、薬の効果を最大限に引き出すことができます。
飲み忘れを防ぐために、アラームをセットしたり、お薬カレンダーを使用したりするのも良い方法です。 -
急に中止しない
症状が改善したからといって、自己判断で急に服用を中止するのは危険です。
中止する場合は、必ず医師と相談の上、徐々に減量していく必要があります。
これらのポイントを押さえることで、安定剤をより安全かつ効果的に使用することができます。
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安定剤(メジャートランキライザー)として使われる医薬品成分
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