末梢性神経障害性疼痛治療薬

末梢性神経障害性疼痛治療薬の概要

末梢性神経障害性疼痛治療薬は、糖尿病性神経障害や帯状疱疹後神経痛などによる痛みを和らげるために使用される薬です。
通常の痛み止めでは効果が不十分な、しびれや焼けるような痛み、電気が走るような痛みに対して効果を発揮します。

主な末梢性神経障害性疼痛治療薬には、プレガバリン、ガバペンチン、デュロキセチンなどがあります。
これらの薬は、神経の過敏な反応を抑えることで痛みを軽減します。
即効性はありませんが、継続的に服用することで徐々に効果が現れてきます。
通常、効果が現れるまでに数週間から数ヶ月かかることもあります。

使用方法と効果

末梢性神経障害性疼痛治療薬は、医師の処方に基づいて使用します。
多くの場合、低用量から開始し、効果と副作用を見ながら徐々に増量していきます。

プレガバリンの場合、通常1日2回の服用で開始し、1日150mgから300mgの範囲で使用します。
最大で1日450mgまで増量することがありますが、個々の状況に応じて用量が決められます。

飲み忘れた場合は、 気がついた時に1回分をできるだけ早く飲みます。
ただし、次の服用時間が近い場合は1回飛ばし、次の時間に1回分飲みます。
2回分を一気に飲んではいけません。

これらの薬の効果は個人差が大きいため、一人ひとりに合った薬と用量を見つけることが重要になってきます。
効果が現れるまでには時間がかかりますが、痛みの軽減だけでなく、睡眠の質の向上や日常生活動作の改善なども期待できます。

注意点と副作用

末梢性神経障害性疼痛治療薬にも、他の薬と同様に副作用の可能性があります。
以下の症状が出たら、医師に相談しましょう。

  • めまい
  • 眠気
  • 体重増加

特に、治療開始時や増量時に注意が必要です。

プレガバリンに限った主な副作用だと、傾眠が33.0%と最も多く、浮動性めまいが19.6%と次に続きます。

これらの薬は、急に中止すると不眠や悪心、頭痛、下痢、不安、多汗症などの離脱症状が出る可能性があるため、医師の指示なく服用を中止しないようにしましょう。
また、アルコールとの併用は避けるべきです。
アルコールにより薬の副作用が強くなる可能性があります。

高齢者や腎機能が低下している人では、薬の代謝や排泄が遅くなるため、用量の調整が必要になることがあります。
また、妊婦や授乳中の女性への安全性は確立されていないため、使用する場合は慎重な判断が必要です。

また、温熱療法や理学療法など、非薬物療法と組み合わせることで、より良い痛み管理が可能になることもあります。

末梢性神経障害性疼痛治療薬として使われる医薬品成分

カルバマゼピン
カルバマゼピンは、てんかんや三叉神経痛の治療に広く使われる薬の成分です。また、双極性障害の躁状態の治療にも用いられることがあります。脳内の神経細胞の過剰な興奮を抑える働きがあり、発作や痛みの軽減に効果を示します。 カルバマゼピンは、てんかんの特に部分発作と全般性強直間代発作に対して高い効果を発揮し...