アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬

アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬の商品名

アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬は、アルツハイマー病の治療に使用される薬です。
この薬は、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの量を増やすことで、記憶力や認知機能の衰えの改善を目指します。

主なAChE阻害薬の商品はこちらです。

  • アリセプト(ドネペジル製剤)
    口腔内崩壊錠やゼリー剤、ドライシロップ剤などがあり、飲み込む力が弱くなった方が服用しやすいです。
    レビー小体型認知症にも効果があります。

  • アリドネ(ドネペジル製剤)
    こちらはパッチ剤で、通常、1日1回、背部、上腕部、胸部のいずれかに 貼付します。
    パッチ剤だと、家族が患者のサポートをしやすい点がメリットです。

  • レミニール(ガランタミン製剤)
    口腔内崩壊錠、内服液があります。

  • イクセロン リバスタッチ(リバスチグミン製剤)
    こちらもアリドネ同様パッチ剤で、使い方も同じです。

AChE阻害薬の効果と使用方法

AChE阻害薬には、以下のような効果が期待されています。

  • 記憶力の改善
  • 注意力の向上
  • 日常生活動作の維持や改善
  • 認知機能の全般的な向上
  • 行動・心理症状(BPSD)の軽減

AChE阻害薬は、症状の進行を完全に止めることはできませんが、症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させたりする効果があります。

AChE阻害薬の副作用と注意点

AChE阻害薬にも、他の薬と同様に副作用の可能性があります。
主な副作用は消化器症状で、以下のようなものがあります。

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 下痢
  • めまい

これらの副作用の多くは、服用を始めてしばらくの間に現れやすく、その後徐々に軽減していくことが多いです。
しかし、症状が強い場合や長く続く場合は、医師に相談しましょう。

生活習慣と家族の支え

AChE阻害薬は、認知症の症状を改善する効果が期待できる薬ですが、すべての人に同じように効果があるわけではありません。
個人の状態や症状によって、効果の現れ方や副作用の出方が異なることがあります。

AChE阻害薬を服用しながら、日々の生活習慣を見直すことも大切です。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活を心がけましょう。
脳を活性化させるような読書やパズル、新しいことを学ぶなどの知的活動を積極的に行うことで、認知機能の維持・向上につながる可能性があります。

また、家族や介護者の支援も重要です。
薬の管理や服用の確認、副作用の観察など、周囲のサポートがあることで、より安全で効果的な治療を続けられます。