ドパミン放出促進薬

ドパミン放出促進薬とは?

ドパミン放出促進薬は、パーキンソン病の治療に使われる薬剤です。
脳内のドパミン放出を促進することで、パーキンソン病の症状を改善します。

ドパミン放出促進薬は、脳内のドパミン神経終末からのドパミン放出を促進することで作用します。
この作用により、手足の震えや筋肉のこわばり、動作の遅さなどが軽減したり、別の薬であるレボドパの使用量を減らせる可能性があります。

現在、日本で承認されているドパミン放出促進薬はゾニサミドです。
この薬は経口薬として1日1回の服用で効果を発揮します。

ドパミン放出促進薬の使用方法と特徴

ドパミン放出促進薬の使用方法は以下の通りです。

  • 1日1回の服用
    通常、就寝前に1錠を服用します。

  • レボドパ製剤との併用
    多くの場合、レボドパ製剤と併用して使用されます。

  • 段階的な増量
    副作用を抑えるため、通常は低用量から開始し、徐々に増量していきます。

ドパミン放出促進薬の特徴としては以下のようなものがあります:

  • 持続的な効果
    1日1回の服用で24時間効果が持続します。

  • レボドパとの相乗効果
    レボドパと併用することで、より安定した症状コントロールが可能になります。

  • 非ドパミン系の作用
    ドパミン系だけでなく、セロトニン系やノルアドレナリン系にも作用する可能性があり、非運動症状にも効果が期待できます。

副作用と注意点

ドパミン放出促進薬にも、他の薬と同様に副作用が現れることがあります。
主な副作用は以下の通りです。

  • 眠気・めまい
  • 吐き気・嘔吐
  • 食欲不振・体重減少
  • 不随意運動(ジスキネジア)の増加
  • 幻覚・妄想
  • 衝動制御障害(ギャンブル、過食、買い物などの衝動的な行動)

使用にあたっては、他の薬との相互作用にも注意しましょう。
特定の薬剤と併用すると、効果が変化したり副作用が増強したりする可能性があります。

長期使用と他の薬剤との併用

ドパミン放出促進薬の長期使用に関しては、他の薬剤に比べて、耐性が付きにくい可能性が示唆されています。
また、長期使用による新たな副作用も比較的少ないとされている点が特徴です。

ただし、個々の患者によって反応は異なるため、使用を続けていく中で、効果の変化に注意を払う必要があります。

ドパミン放出促進薬は、主にレボドパ製剤と併用して使用されます。
また、以下のような薬剤との併用も検討されることがあります。

  • ドパミン作動薬
    相乗効果が期待できます。

  • MAO-B阻害薬
    異なる作用機序で効果を補完し合える可能性があります。

  • COMT阻害薬
    レボドパの効果を高める点で相乗効果が期待できます。