鉄剤
- 鉄剤の効果と正しい使用法
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鉄剤は、体内の鉄分不足を補うために用いられる薬です。
貧血の治療や予防に使用されます。鉄は体内で重要な役割を果たす栄養素の一つです。
特に赤血球のヘモグロビンの主要な構成要素として、酸素を体中に運ぶ働きがあります。
鉄剤を服用することで、以下のような効果が期待できます。- 貧血症状の改善
- 疲労感の軽減
- 息切れの改善
- 集中力の向上
- 免疫機能の強化
鉄剤が必要となる主な状況には次のようなものがあります。
- 鉄欠乏性貧血
- 妊娠中や授乳中
- 激しい運動を行う人
- 菜食主義者
- 胃腸の手術後
- 慢性的な出血がある場合(月経過多など)
- 鉄剤の種類と特徴
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鉄剤には様々な種類がありますが、経口薬には主に以下のようなものがあります。
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クエン酸第一鉄ナトリウム(フェロミア)
1日100~200mgを1~2回に分けて食後経口投与します。
胃腸への副作用を感じる患者もいますが、その場合は朝ではなく夜に服用すると症状が軽減することがあります。 -
乾燥硫酸鉄(フェロ*グラデュメット)
1日105~210mg(1~2錠)を1~2回に分けて服用します。
空腹時に服用しますが、胃腸に副作用が現れた場合は食後でも構いません。 -
フマル酸第一鉄(フェルム)
1日1カプセルを服用するタイプです。
消化器系の副作用が少ないことが特徴です。 -
溶性ピロリン酸第二鉄(インクレミン)
こちらはシロップタイプで1日に必要な量を3~4回に分けて服用します。
必要量は年齢によって異なり、1歳未満であれば2~4mL/日、1~5歳では3~10mL/日、6~15歳なら10~15mL/日が一般的です。
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- 鉄剤の正しい服用方法
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鉄剤を効果的に服用するためには、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
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ビタミンCと一緒に摂取する
オレンジジュースなどと一緒に飲むと吸収率が上がる -
カルシウムを含む食品や薬との併用を避ける
牛乳やヨーグルト、制酸剤などは鉄の吸収を妨げる -
お茶やコーヒーと一緒に飲まない
タンニンが鉄の吸収を阻害する -
医師の指示通りに服用する
過剰摂取は危険なので、勝手に量を増やさない -
長期間服用する
貧血の改善には通常2~3ヶ月かかる
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- 日常生活での工夫
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鉄剤の効果を高めるためには、薬の服用だけでなく、日常生活での工夫も重要です。
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バランスの取れた食事を心がける
肉、魚、卵、豆類など、鉄分を含む食品を積極的に摂取する -
ビタミンCを多く含む食品を摂取する
柑橘類、キウイ、ブロッコリーなどを食べる -
適度な運動を行う
過度の運動は避け、体調に合わせた運動を心がける
鉄剤は、適切に使用することで貧血症状の改善に大きな効果を発揮します。
しかし、その効果は個人差があり、すぐに症状が改善するとは限りません。
根気強く続けることが大切です。 -
鉄剤として使われる医薬品成分
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