メシル酸ベタヒスチン
- メシル酸ベタヒスチンの作用メカニズム
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メシル酸ベタヒスチンは、主にめまいの治療に使用される薬剤です。
特に、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内耳性めまいに効果があるとされています。
この薬は、耳の内部にある前庭機能に作用し、めまいの症状を軽減します。メシル酸ベタヒスチンは以下のような作用を持っています。
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内耳血流改善
内耳の血管を拡張させ、血流を増加させる
これにより、内耳の機能が改善される -
前庭系への作用
前庭神経核におけるヒスタミン受容体に作用
前庭機能のバランスを調整する -
神経伝達物質への影響
ヒスタミンの遊離を促進
神経伝達を調整し、めまい症状を改善
これらの作用により、めまいやふらつき、耳鳴りなどの症状が軽減されます。
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- メシル酸ベタヒスチンの使用対象
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主な使用対象となる症状や疾患はこちらです。
- メニエール病
- 良性発作性頭位めまい症
- 前庭神経炎
- 突発性難聴に伴うめまい
- 頭部外傷後のめまい
また、以下のような症状にも効果が期待できる場合があります。
- 耳鳴り
- 聴力低下
- 頭重感
- 吐き気・嘔吐(めまいに伴うもの)
- 服用方法と注意点
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メシル酸ベタヒスチンは、通常、1日3回に分けて服用します。
食後または食間に服用することが多いですが、症状に応じて、医師が用量を調整することがあります。また、薬は症状がなくても、医師の指示通りに服用を続けるようにし、急に中止しないでください。
突然の中止は症状の再発や悪化につながる可能性があります。
飲み忘れた場合は、気づいたときにすぐに服用しましょう。
ただし、次の服用時間が近い場合は飛ばします。
アルコールはめまいを悪化させる可能性があるため、避けるのが望ましいです。 - 副作用と注意が必要な人
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主な副作用には以下があります。
- 胃部不快感
- 頭痛
- 眠気
- 発疹
これらの副作用は通常軽度で、時間とともに改善することが多いですが、症状が続く場合や悪化する場合は医師に相談しましょう。
注意が必要な人は以下の通りです。
- 消化性潰瘍のある人
- 気管支喘息の人
- 妊婦または妊娠の可能性がある人
- 授乳中の人
- 高齢者
また、メシル酸ベタヒスチンを服用している間は、以下の点に注意しましょう。
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運転や機械操作に注意
特に服用初期は眠気やめまいに注意 -
定期的な通院
症状の変化や副作用の有無を確認するため -
バランスの良い食事
内耳の健康維持に必要な栄養素を摂取 -
水分摂取
適度な水分補給が内耳の機能維持に重要 -
ストレス管理
ストレスがめまいを悪化させる可能性がある -
睡眠の質の向上
十分な睡眠が症状の改善に役立つ -
急な動きを避ける
特に起き上がるときはゆっくりと
メシル酸ベタヒスチンは、日常生活の質を向上させるのに役立つ薬剤です。
ただし、薬だけに頼らず、生活習慣の改善や定期的な医療機関の受診など、総合的なアプローチを視野に入れましょう。