α1刺激薬
- α1刺激薬の作用機序
-
α1刺激薬は、主に低血圧の治療に使用される薬剤です。
血圧が上がる原因の一つに、血管の収縮があります。
α1刺激薬は、α1アドレナリン受容体を刺激することで血管を収縮させ、血圧を上昇させる効果があります。逆に、α1受容体を阻害すると血圧は下がります。
また、一部のα1刺激薬は鼻炎の症状改善にも使用されます。α1刺激薬は以下のような機序で作用します。
- 血管平滑筋のα1受容体を刺激
- 血管の収縮を引き起こす
- 末梢血管抵抗が増加
- 血圧が上昇
鼻炎治療に使用される場合は、鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻閉を改善します。
- 主なα1刺激薬と特徴
-
α1刺激薬には、以下のようなものがあります。
-
ミドドリン
経口薬として使用し、起立性低血圧の治療に効果的です。
穏やかかつ長く効くのが特徴です。 -
フェニレフリン
注射剤や点眼薬、点鼻薬として使用します。
鼻炎用内服薬や鼻炎用点鼻薬に含まれていることがあり、手術時の血圧維持や鼻炎の症状緩和に使用する場合もあります。 -
メトキサミン
注射剤として使用する急性低血圧の治療薬でしたが、一つしかない製造工場が焼失したことが原因で、2008年12月末に販売を終了しています。
-
- α1刺激薬の使用方法
-
α1刺激薬の使用方法は薬剤によって異なります。
- 経口薬:1日2~3回の服用が一般的
- 注射剤:医療機関で必要に応じて投与
- 点鼻薬:症状に応じて1日数回使用
効果の発現は比較的早く、経口薬でも1時間程度で効果が現れ始めます。
- α1刺激薬使用時の注意点と副作用
-
α1刺激薬を使用する際は、以下の点に注意が必要です。
-
高血圧:過度の血圧上昇に注意が必要
-
心疾患:心臓への負担が増加する可能性がある
-
前立腺肥大:排尿障害を悪化させる可能性がある
-
緑内障:眼圧上昇のリスクがある
-
糖尿病:血糖値に影響を与える可能性がある
また、人によっては以下の副作用が出ることがあります。
主な副作用とその対策は以下の通りです。-
頭痛:軽度であれば経過観察、重度の場合は医師に相談
-
動悸:用量調整が必要な場合がある
-
不眠:就寝前の服用を避ける
-
排尿困難:特に男性で注意が必要、症状が持続する場合は医師に相談
-
鼻炎悪化(点鼻薬の場合):長期連用を避け、適切な使用期間を守る
α1刺激薬を使用する際の生活上の注意点は以下の通りです。
-
急な姿勢変更を避ける:特に起立性低血圧の患者は注意
-
アルコール摂取に注意:血圧変動のリスクが高まる
-
カフェイン摂取に注意:血圧上昇作用が増強される可能性がある
-
運動時の注意:過度の血圧上昇に注意が必要
-