解熱鎮痛消炎薬(塩基性)
- 解熱鎮痛消炎薬(塩基性)の概要と効果
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解熱鎮痛消炎薬(塩基性)は、主に炎症を伴う痛みや発熱の治療に使用される薬であり、酸性環境下でも効果を発揮することが特徴です。
塩基性とは、酸の働きを中和し、塩(えん)と水だけを作る性質のことです。
簡単に言えば、「アルカリ性」という意味です。
このような塩基性がある解熱鎮痛消炎薬は、炎症反応を抑制し、痛みや発熱を軽減するために使われています。塩基性の解熱鎮痛消炎薬は、酸性環境でも安定して効果を発揮するため、消化管などの酸性部位でも効率的に働けるメリットがあります。
薬の副作用で胃酸過多や胃潰瘍になるリスクを軽減できるため、胃が弱い方にとってはありがたい薬です。
これらの薬は、シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素の阻害を通じて、プロスタグランジンの生成を抑制することで、炎症、痛み、発熱を軽減しています。 - 塩基性の解熱鎮痛消炎薬の例
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塩基性の解熱鎮痛消炎薬の具体例としては、有名どころはチアラミド塩酸塩にあります。
製品名としてはソランタール錠として知られている薬です。
炎症を鎮める効果があり、腫れや外傷、関節炎、腰痛、抜歯後、風邪などの症状緩和に使います。
薬が効いてくると痛みは消えますが、痛みの原因がなくなるわけではないため根本を治すことが重要です。
頓服として一時的に痛みを穏やかにするために服用することが多いです。チアラミド塩酸塩が急性炎症を抑えられるのは、炎症を起こすカラゲニンやセロトニン、ヒスタミンの働きを阻害するからです。
チアラミド塩酸塩は比較的効果が穏やかな鎮痛剤なので、劇的な効果は期待できません。
しかし、胃腸障害になりにくいことから、安全性が高い点はメリットです。ただし、塩基性とは言え、医師から鎮痛剤を処方されるときには、胃潰瘍など消化性潰瘍のある人は自己申告することをおすすめします。
特別な胃薬と併用して服用すれば問題ないこともありますが、自分の弱いところがわかっているなら医師には伝えるべきです。 - 塩基性の解熱鎮痛消炎薬の使用方法と注意点
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塩基性解熱鎮痛消炎薬は、多くの場合経口薬として処方されますが、必要に応じて注射剤や外用薬としても使われます。
副作用としては胃腸障害や腎機能障害が挙げられますが、塩基性の特性により、これらのリスクは一般的なNSAIDsよりも低いとされています。
それでも、特定の基礎疾患を持つ患者や長期使用を考慮する場合には、定期的なモニタリングが必要です。
痛み止めが欲しいと思ったときは、病院やドラックストアにお薬手帳を持っていき、現在の自分の体調や持病を医師や薬剤師に伝えてください。