カルシウム受容体作動薬

カルシウム受容体作動薬とは?

カルシウム受容体作動薬は、副甲状腺機能亢進症の治療に使用される薬剤です。
特に、慢性腎臓病(CKD)に伴う二次性副甲状腺機能亢進症の管理に重要な役割を果たします。
副甲状腺にあるカルシウム感知受容体(CaSR)に作用し、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑制する働きがあります。

カルシウム受容体作動薬の作用と効果

カルシウム受容体作動薬は、体内のカルシウムバランスを調整します。
主な作用と効果は以下の通りです。

  • PTH分泌の抑制
  • 血清カルシウム値の低下
  • 血清リン値の低下
  • 骨代謝回転の改善

カルシウム受容体作動薬は、副甲状腺のCaSRを刺激することで、血中カルシウム濃度が実際よりも高いと副甲状腺に「錯覚」させます。
その結果、PTHの分泌が抑制されます。
PTHの過剰分泌が抑えられることで、骨からのカルシウムの動員が減少し、血清カルシウム値が低下します。

また、PTHの分泌抑制により、腎臓でのカルシウムとリンの再吸収が減少するため、血清リン値も低下します。
さらに、骨代謝回転が改善されることで、骨粗鬆症のリスクが軽減される可能性があります。

主なカルシウム受容体作動薬

現在、日本で使用されている主なカルシウム受容体作動薬には以下のものがあります。

  • シナカルセト塩酸塩
  • エテルカルセチド塩酸塩
  • エボカルセト

シナカルセト塩酸塩は、経口投与で使用される薬剤です。
1日1回の服用で効果を発揮しますが、胃腸障害などの副作用に注意が必要です。

エテルカルセチド塩酸塩は、注射剤として使用されます。
主に血液透析を受けている患者さんを対象に、透析終了時に週3回投与されます。
経口薬と比べて安定した効果が得られる利点があります。

エボカルセトは、シナカルセト塩酸塩と同様に経口投与で使用されますが、より副作用が少ないとされています。

カルシウム受容体作動薬の副作用と注意点

カルシウム受容体作動薬を使用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 定期的な血液検査による副甲状腺ホルモン値、カルシウム値、リン値のチェック
  • 低カルシウム血症のリスクに注意(特に治療開始時)
  • 副作用(吐き気、嘔吐、下痢など)の観察
  • 他の薬剤との相互作用の確認
  • 妊娠中や授乳中の使用に関する注意

特に、低カルシウム血症には気を付けましょう。
症状として、手足のしびれ、筋肉のけいれん、不整脈などが現れることがあります。
これらの症状が出現した場合は、速やかに医師に相談します。

また、カルシウム受容体作動薬の効果を最大限に引き出すためには、適切な食事管理も重要です。
カルシウムやリンの摂取量に注意を払い、バランスの取れた食事を心がけましょう。

カルシウム受容体作動薬として使われる医薬品成分

テストステロン
テストステロンは精巣で作られる男性ホルモンの一種です。女性の体内でも少量産生されますが、男性の体内では10倍以上の量が存在しています。このホルモンは、男性の身体的特徴や性機能だけでなく、全身の健康維持に広く関わっています。 筋肉量の維持と増加* テストステロンは筋肉の成長と修復を促します。適度な運動...