塩酸チアプリド
- 塩酸チアプリドの概要
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塩酸チアプリドは、神経遮断薬の一つで、第一世代の抗精神病薬です。
統合失調症の治療薬として用いられる他、脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮の改善、脳梗塞後遺症の治療に使われます。
正式には脳梗塞後遺症の改善が目的とされていますが、その効果から、精神薬としても役割として応用されています。 - チアプリド塩酸塩の効果と服用方法
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チアプリド塩酸塩は、神経の高ぶりや不安を抑え、心を穏やかにしてくれる薬です。
脳梗塞の後遺症を持つ高齢者に対しても使用ができ、怒りっぽさやうろつきなどの症状を改善します。
脳梗塞後には脳の情報伝達が上手くいかないことがあるため、このような心身の混乱を改善します。また、勝手に体が動く症状にも効果を発揮します。
不随意運動という手足や口周りの異常運動を改善します。チアプリド塩酸塩は、通常、成人には1日75~150mgを2~3回に分けて経口投与します。
年齢、症状により適宜増減しますが、1日300mgを超えないようにします。
高齢者や腎機能障害のある患者では、低用量から開始し、慎重に増量する必要があります。チアプリド塩酸塩の服用において注意が必要な患者には、以下の症状を持っている方が当てはまります。
- 不整脈
- 低血圧
- 腎臓病 褐色細胞腫の疑いのある人
飲み合わせに関しても注意が必要で、チアプリド塩酸塩の作用を強くしてしまうものや、副作用が強まるもの、逆に効果が弱まるものもあります。
以下の薬を飲んでいる場合は、医師に相談しましょう。- 安定剤(ハロペリドール、クロルプロマジン等)
- 抗パーキンソン病薬(レボドパ等)
- 制吐薬(メトクロプラミド)
アルコールとの相性も悪く、眠気、ふらつきなどが発現しやすくなります。
- 使用上の注意点
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塩酸チアプリドを使用する際は、以下の点に注意が必要です。
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副作用
錐体外路症状(パーキンソン症状、アカシジアなど)、眠気、めまい、口渇などが発現する可能性があります。
特に高齢者では、これらの副作用が出やすいため、慎重な投与を行います。 -
薬物相互作用
中枢神経抑制剤(睡眠薬、麻酔薬など)との併用で、相互に作用が増強される可能性があります。
また、レボドパ製剤との併用では、互いの作用を減弱させる可能性があるため注意が必要です。 -
長期使用
長期間使用する場合は、定期的に臨床症状を観察し、副作用の発現に注意しながら、継続投与の必要性を慎重に判断する必要があります。 -
妊婦・授乳婦への投与
妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は避けるべきです。
授乳中の女性に投与する場合は授乳を中止させる必要があります。
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