プロスタグランジン誘導体
- プロスタグランジン誘導体の作用機序と特徴
-
プロスタグランジン誘導体は、プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)としては手足の冷たさ、しびれ、痛みに対して処方される薬です。
血行が悪いことが原因で起こる症状に効きます。
プロスタグランジンE1誘導体製剤は、PGE1を元に作られた薬です。
PGE1はプロスタグランジンE1という物質で、血小板凝集を抑えて血管を広げる働きがあります。一方、点眼薬としては主に緑内障や高眼圧症の治療に使用される薬剤で、眼圧を下げる効果があります。
プロスタグランジンF2α誘導体製剤という名前の薬になります。 - プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)の例
-
プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)には、以下のような薬があります。
- オパルモン プロレナール
- リマプロストアルファデクス錠「テバ」
どちらも錠剤の吸湿性が高いため、アルミ包装を開けたら、日光が当たらない湿気が少ない場所で保管しなければいけません。
副作用が起きることは稀ですが、以下のような症状が現れる場合があります。
- あおあざ
- 皮下や歯ぐきの出血
- 鼻血
- 倦怠感
- 食欲不振
- 発熱
- 下痢
- 吐き気
- 胃部不快感
- 食欲不振
- プロスタグランジンF2α誘導体製剤の例
-
一方、点眼薬としてのプロスタグランジンには、以下の商品があります。
-
キサラタン:β遮断薬との配合剤(ザラカム配合点眼液 など)もあります。
-
トラバタンズ:β遮断薬との配合薬(デュオトラバ配合点眼液)もあります。
-
タプロス:β遮断薬との配合剤(タプコム配合点眼液)があります。
-
レスキュラ
-
ルミガン
主な副作用には以下のようなものがあります。
- 虹彩色素沈着
- 睫毛の成長促進と色素沈着
- 結膜充血
- 眼周囲の色素沈着
- まれに嚢胞様黄斑浮腫
点眼薬を使用する際には、コンタクトレンズ装用中は使用を避け、点眼後15分以上経ってから装用します。
また、他の点眼薬と併用する場合は、5分以上間隔を空けて使用するようにしましょう。 -
- プロスタグランジンF2α誘導体製剤の臨床的位置づけ
-
プロスタグランジンF2α誘導体製剤は、現在の緑内障治療ガイドラインにおいて、開放隅角緑内障や高眼圧症に効果的だと言われています。
その理由として以下が挙げられます。- 強力な眼圧下降効果
- 1日1回の使用で済む利便性
- 全身性の副作用が比較的少ない
プロスタグランジン誘導体は、眼圧下降効果と使用の利便性から、緑内障治療の重要な選択肢となっています。
しかし、長期使用による副作用や、個々の患者の反応性の違いにも注意を払う必要があります。
定期的な眼科検査と、医師との密接なコミュニケーションが不可欠です。