肝機能改善剤
- 肝機能改善剤は何に効くの?
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肝機能改善剤は、その名の通り肝臓の機能を改善し、様々な肝疾患の治療や症状の緩和に用いられる薬の総称です。
肝細胞の保護、再生促進、解毒作用の増強などを通じて肝機能の改善を図ります。
肝機能改善剤には複数の種類があり、それぞれ異なる作用機序や適応症を持っています。その効果から、以下のような症状に使われます。
- 慢性肝炎(B型、C型、自己免疫性)
- 肝硬変
- 脂肪肝(アルコール性、非アルコール性)
- 薬物性肝障害
- 原発性胆汁性胆管炎(PBC)
- 肝性脳症
- 術後の肝機能低下
- 肝機能改善剤の種類と効果
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主な肝機能改善剤はこちらです。
- グリチルリチン製剤
- ウルソデオキシコール酸(UDCA)
- 肝水解物
- 強力ネオミノファーゲンシー(SNMC)
- チオプロニン
肝機能改善剤は、以下のような多様な作用機序を持っています。
- 抗炎症作用
- 肝細胞保護作用
- 抗酸化作用
- 胆汁分泌促進作用
- 肝細胞再生促進作用
- 免疫調節作用
- 投与方法と注意点
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投与方法は薬剤によって異なりますが、主に以下の方法があります。
- 経口投与(錠剤、カプセル剤)
- 注射剤(静脈内投与、筋肉内注射)
個々の患者の状態や疾患の程度に応じて投与量が調整され、長期使用の場合は定期的な肝機能検査が必要になります。
- 肝機能改善剤の具体例
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病院で処方される肝機能改善剤として有名なのはウルソデオキシコール酸です。
肝臓や胆のう疾患に対する第一選択薬です。
市販薬として販売されているものには「タナベ胃腸薬ウルソ」がありますが、ウルソデオキシコール酸1錠には、ウルソの約倍の成分が含まれています。
1度に2錠まで服用できるため、市販薬と比べると約4倍の成分を服用できることになります。このように、処方される薬は市販薬より強力に働くことが特徴です。
これには、自己判断で強い薬を選択できるリスクを回避する目的があります。
作用が強力である分、副作用が起きやすいこともあり、医師の判断で処方されることに意味があるからです。その他の肝機能改善剤には、グルタチオンなどがあります。
肝障害抑制作用がある一方で、美容効果も注目されている薬です。
アンチエイジング効果やデトックス効果があるため、美容皮膚科でも処方されることがあります。
お酒をたくさん飲む方は、二日酔いにも優しい効果を感じられるかもしれません。市販薬では十分な効果が得られない場合は、一度病院へ行き、処方箋がないと入手できない薬を試してみるのも良いでしょう。
医師に相談できるため、安心して飲むことができる点がメリットです。