排便促進剤

排便促進剤の薬の例

排便促進剤は、腸管の運動性を高めたり、水分分泌を促進したりすることで排便を容易にする薬です。
慢性便秘症の治療に用いられることも多いです。
主な作用機序は以下の通りです。

  • セロトニン受容体刺激
    腸管の神経叢に存在するセロトニン受容体を刺激し、蠕動運動を促進します。

  • クロライドチャネル活性化
    腸管上皮細胞のクロライドチャネルを活性化し、水分分泌を増加させます。

  • グアニル酸シクラーゼC受容体刺激
    腸管上皮細胞のグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激し、水分分泌を促進します。

代表的な排便促進剤には以下のようなものがあります。

リナクロチドのようなグアニル酸シクラーゼC受容体作動薬は新しいアプローチの薬で、処方薬としての名前は「リンゼス」と呼ばれます。
副作用に下痢があるものの、量を調節すれば個人の体質に合わせることができます。

通常は1日2錠ですが、1錠で丁度良い便になる方もいます。
また、リンゼスは排便における腹痛を軽減してくれる働きがあるため、過敏性腸症候群の便秘型や混合型の患者に効果が期待できます。

排便促進剤の特徴

排便促進剤の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 生理的な排便を促進する
  • 長期使用が可能
  • 依存性が低い
  • 副作用が比較的軽微
  • 慢性便秘症の管理に適している

先に挙げたリンゼスにも依存性はないとされており、長期的に服用できる点が魅力です。

排便促進剤の効果

排便促進剤は、以下のような症状を改善してくれます。

  • 慢性便秘症
    特に、他の下剤で十分な効果が得られない患者に適しています。

  • 過敏性腸症候群(IBS)の便秘型
    腹痛や腹部不快感を伴う便秘に対して効果を示します。

  • 機能性便秘
    器質的な異常がない機能性便秘の患者に有効です。

  • 高齢者の便秘
    従来の下剤で副作用が問題となる高齢者の便秘管理に適しています。

排便促進剤以外の治療法

排便促進剤を含む総合的な便秘治療を目指すなら、以下の点を考慮しましょう。

  • 便秘の原因の追求
    器質的疾患の除外や、薬剤性便秘の可能性はないか調べる必要があります。

  • 生活習慣の改善
    十分な水分摂取、食物繊維の摂取増加、適度な運動など、非薬物療法を積極的に取り入れましょう。

  • 段階的アプローチ
    薬は少量から開始し、必要に応じて薬物療法を段階的に強化していきます。

  • 定期的な再評価
    治療効果や副作用の有無を定期的に医師に伝え、必要に応じて治療計画を修正します。

排便促進剤は、慢性便秘症の心強い味方です。
しかし、それだけで完全な解決策とはなりません。
患者の生活の質を最大限に向上させるためには、薬物療法と非薬物療法を適切に組み合わせた包括的なアプローチを検討してみてください。

排便促進剤として使われる医薬品成分

アロエ
アロエは、ツルボラン亜科アロエ属の総称で、世界中で広く栽培されています。特にアロエベラ(アロエ・バルバデンシス・ミラー)は、その優れた効能から最も多く利用されている種類です。アロエは古代エジプトの時代から薬用植物として重宝され、現代でも様々な用途で利用されています。 皮膚ケア* アロエは、皮膚のケア...