ジフェノール系
- ジフェノール系下剤の特徴
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ジフェノール系下剤は刺激性下剤の一種であり、大腸に作用して排便を促進します。
ジフェノール構造を持つ化合物を主成分とし、大腸粘膜を直接刺激し、蠕動運動を促し、腸管上皮細胞からの水分と電解質の分泌を増加させます。他にも、水分と電解質の吸収を抑制し、便中の水分量を増加させたり、腸管粘膜でのプロスタグランジン産生を促進し、蠕動運動を行う作用があります。
- 代表的なジフェノール系下剤
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医療用医薬品のジフェノール系下剤は坐薬で、以下のようなものがあります。
- レシカルボン坐薬
- テレミンソフト坐薬
また、以下もジフェノール系として知られています。
- ピコスルファートナトリウム
- ラキソベロン
- ピコラックス
- ビオフェルミン便秘薬
- コーラック
- ビューラック
- ジフェノール系下剤の効果
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ジフェノール系下剤は、以下のような症状に効果を示します。
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急性便秘
一時的な便秘解消に効果的です。 -
慢性便秘の短期的管理
他の治療法と組み合わせて使用されることがあります。 -
排便習慣の調整
規則的な排便習慣を確立するための補助的な使用が行われることがあります。
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- ジフェノール系下剤の副作用と使用上の注意点
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ジフェノール系下剤は便秘を繰り返す患者にとって有効である一方で、以下のようないくつかの副作用や注意点があります。
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腹痛や腹部痙攣
最も一般的な副作用で、特に過剰摂取時に顕著です。 -
耐性と依存性
長期使用により効果が減弱し、用量増加が必要になる可能性があります。 -
下痢
過剰摂取や個人の感受性が高い場合に生じる可能性があります。 -
直腸刺激
特に坐剤使用時に、直腸粘膜の刺激や炎症が生じる可能性があります。
副作用をできるだけ起こさないようにするために、以下の注意点を守りましょう。
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長期連用を避ける
原則として短期間の使用にとどめるべきです。
長く使用すると、自然な排便が難しくなり、余計に便秘になりやすくなるデメリットがあります。 -
適切な用量調整
効果と副作用のバランスを考慮し、最小有効量を使用します。 -
水分摂取
十分な水分摂取を心がけ、脱水を予防します。 -
他の薬剤との相互作用
特に心臓病薬や利尿剤との併用には注意が必要です。 -
腹部手術歴のある患者
腸閉塞のリスクが高まる可能性があるため、慎重に使用します。 -
坐剤使用時の注意
直腸粘膜への刺激を最小限に抑えるため、適切な挿入方法を指導します。
ジフェノール系下剤は、他の方法で効果が得られない場合や、短期的な便秘解消が必要な特定の場合での使用がおすすめです。
便秘の根本的な原因を解決することが重要なので、その原因によっては生活習慣の改善や食事療法なども併せて行うと良いでしょう。 -