糖類下剤
- 糖類下剤の作用機序と特徴
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糖類下剤は、腸管で吸収されにくい糖類を主成分とする下剤です。
浸透圧を利用して腸管内に水分を引き込み、便を軟化させる効果があります。
主な作用機序は以下の通りです。-
浸透圧作用
腸管内で高い浸透圧を形成し、体内から水分を引き込みます。 -
水分保持
腸管内の水分量を増加させ、便を軟化します。 -
腸管刺激
一部の糖類下剤は、軽度の腸管刺激作用も持ちます。
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- 代表的な糖類下剤とその特徴
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代表的な糖類下剤には以下のようなものがあります。
- ラクツロース
- ラクチトール
- ソルビトール
これらの薬は通常、シロップ剤や粉末剤として提供され、経口投与で使用されます。
効果の発現は比較的緩徐で、多くの場合24~48時間程度で効果が現れます。また、糖類下剤の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 刺激性が低く、穏やかな作用を持つ
- 習慣性が少ない
- 長期使用が可能
- 腸内細菌叢にも好影響を与える可能性がある
- 肝性脳症の治療にも使用される(特にラクツロース)
- 糖類下剤が処方される症状
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糖類下剤が処方される症状は以下の通りです。
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慢性便秘症
特に高齢者や妊婦など、刺激性下剤の使用が好ましくない患者に適しています。 -
過敏性腸症候群(IBS)の便秘型
腹痛を悪化させずに便通を改善する効果があります。 -
肝性脳症
特にラクツロースは、アンモニアの産生を抑制し、肝性脳症の治療に用いられます。 -
大腸内視鏡検査の前処置
他の下剤と併用して腸管洗浄に使用されることがあります。 -
小児の便秘
刺激性が低いため、小児の慢性便秘治療に適しています。
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- 糖類下剤の副作用と使用上の注意点
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糖類下剤は一般的に安全性が高い薬剤ですが、いくつかの副作用や注意点があります。
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腹部膨満感
腸内ガスの増加により、特に使用初期に現れることがあります。 -
腹痛や腹部不快感
過剰使用や急激な増量で生じる可能性があります。 -
下痢
用量が多すぎる場合に起こりやすいです。 -
電解質異常
長期使用や過剰使用で、特にナトリウムやカリウムのバランスが乱れる可能性があります。 -
脱水
下痢が続く場合、脱水のリスクが高まります。 -
腸内細菌叢の変化
長期使用により腸内細菌叢が変化する可能性がありますが、多くの場合これは有益な変化とされています。
また、使用上の注意点として以下が挙げられます。
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糖尿病患者での使用
血糖値に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。 -
乳糖不耐症の患者
一部の糖類下剤(特にラクツロース)は避けるべきです。 -
徐々に増量
効果が不十分な場合は、徐々に用量を増やします。 -
十分な水分摂取
脱水を防ぐため、十分な水分摂取が重要です。 -
他の薬剤との相互作用
一部の薬剤の吸収に影響を与える可能性があるため、服用間隔に注意が必要です。
糖類下剤は、その穏やかな作用と長期使用の安全性から、慢性便秘症に対し効果を発揮します。
特に、刺激性下剤の使用が適さない患者や長期的な便秘管理が必要な患者に適しています。 -